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タテジマとファイブアローズに魅せられて

阪神タイガースはもちろん、Bリーグの香川ファイブアローズも応援中。
野球もバスケも素人目線です。お手柔らかに!
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Love Letter
「おはようございます。」

 僕の職場では朝礼がある。ここで毎朝交代で挨拶と共に朝の一言があるんだけど、先日僕の当番が来てしまった。

 色々考えた挙句、やはり今年度の1回目はタイガースに関して話しておこうと思った。

 4月の人事異動で入れ替わってから初めての当番で、まだ僕がタイガースのファンであることを知らない人もいるかもしれないのでそう思った。(でも実際には全員、僕がタイガースファンと知っていた)

好きなものに(または好きなことを)好きと分かりやすくはっきり言うことは、勇気が要るけどとても大切なことだ。どうしても頭で考え込んでしまいがちだけど、そんなことに時間をかけるくらいなら、行動に移したほうがよっぽど精神的にも健康だ。そもそも好きなのは自分自身の問題で、最初は人の力を借りるにしてもいつまでも人を当てに・・・というわけにも行かないし、結局は自分で何とかしなきゃならない。成功するために行動力と決断力はものすごく大事な要素なんだ。

そんなことを考えていたら、僕がタイガースに夢中になった日のことを思い出した。

僕がタイガースを好きになったのは縦ジマのユニフォームに一目ぼれしたのがきっかけだった。テレビで見る縦ジマは勇ましく、とてもかっこよく見えた。

 阪神戦を生で見る機会は僕が住んでいる静岡では数年に1回あるかないかでしかも必ずビジター。阪神タイガース主催試合は静岡ではありえない。つまり縦ジマのユニフォームを着て試合をするタイガースを観ることは静岡から出ないうちはありえない。これは大問題だった。つまり僕が甲子園に行かなければ縦ジマを着て戦う選手を生で見れないのだ。

 そう思ったら行動に移すしかない。甲子園に行きたい。縦ジマを生で見たい。タイガースを好きな気持ちを観客席から大きな声でぶつけたい。その一心だった。

何か好きなものがあって、それに近づきたい、実現させたいと思った場合、方法を考える時間はほとんどの場合短くて簡単な方がいい。余計なことを考えて目先を曇らせる暇があったら、物事の本質と正しい目的を見つめた方がいい。自分が思うだけで相手のほうから近づいてくるなんてのはドラマや漫画の世界だけだと思っておけば間違いない。楽して成果が得られるなんてのも、よほど恵まれているごく一部の人だけだ。

 仕事を工夫して、時間を作って、お金を貯めて、やっとのことで甲子園にたどり着いたのは高校卒業後に就職してから。初めて座った甲子園は1塁側のアルプス席だった。初めて観戦した甲子園は想像以上に大きくて、温かくて、言葉では言い表せないくらい素晴らしいところで、試合には負けたけど行けただけで大満足だった。観客席で歌う六甲颪はどんな名曲よりも心に響き、耳の奥に残った。

 次の目標は観戦した試合に勝つことだった。その試合までは数試合(つまり数年)かかるわけだけど、ついに勝った後の帰りの阪神電車は格別の空間だった。そのときのことが忘れられなくて、僕は今年も甲子園に行く。

 はっきり言って、甲子園は聖地だ。今でも僕は聖地に行く前には気を引き締める。些細なことだけど、いつもより丁寧に電話に出たり、職場のゴミ拾いをしたり、というように少しいいひとになったりもする。聖地に行くには聖地に行くに相応しい自分でなければ申し訳ないような気がしているからだ。そしてタイガースを応援するために甲子園に行く。他に余計な目的はない。そしてそこに同じ目的の友達がいることを喜ぶ。それで充分だと思う。
 
 サザンオールスターズをみんな知っていると思う。彼らはキーボードの原由子さんが産休中はソロ活動をしていた。その期間を経て再活動を開始した際のライブで、ボーカルの桑田さんはこう言った。「何でも考え、何でも知って、何でもかんでもやってみよう。」

 何でも考え、何でも知るところまでは誰でもできる。あとは何でもかんでも『やってみる』ことだ。『やってみる』・・・僕の場合は甲子園に行くために踏み出した、はじめの一歩のことだった。

 朝礼で少し話をするだけでここまで考える僕はきっと考えすぎだろう。今年度のメンバーの前でしゃべるのは初めてだったので、今回は特に分かりやすく、好きなものを好きと言ってみた。それはちょっとした選手宣誓だった。

「おはようございます。私は阪神タイガースが大好きです。去年私が休暇を頂くと『また甲子園か。』とよく言われましたが、はっきり言ってそのとおりです。今年もタイガースを応援するために甲子園に行きます。仕事中はキッチリ仕事をして、皆さんにご迷惑をおかけしないようにしたいと思います。そして私生活ではタイガースを全力で応援します。本日もよろしくお願いします。」

 好きなものには分かりやすく、はっきりと言おう。和田コーチがおっしゃるように、最後に笑うために。
 
 『I LOVE HANSHIN Tigers & KOSHIEN STADIUM.』

 僕はどこにでもいる、ただの阪神ファンだ。
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| T−コラム | 20:04 | comments(0) | trackbacks(0) |
箱の中の希望
 今回は文章の性質上、選手の名前に「さん」や「選手」を付けないことをあらかじめお許し下さい。

 

ギリシャ神話のパンドラの箱の話を知っている人は大勢いると思う。

 世界で最初の女性であるパンドラは、神から1つの箱と好奇心を渡される。しかしその箱は絶対に開けてはいけないものと言われていたのだ。

 しかし、好奇心を受け取ってしまっていたパンドラはついにその箱を開けてしまう。すると箱の中に入っていたありとあらゆる災禍が飛び出してしまった。というお話である。

 タイガースにもこのパンドラの箱のようなものを持たされてしまった選手がいる。

 1人目はタイガース待望の速球派といわれた選手だ。ルーキーイヤーから2ケタ勝利を挙げ、まるで自らのスピードに取り付かれたかのように投げる球の急速は上がっていった。そう、それは箱の中から1つずつ何かが飛び出して行くかのように。

 そしてそれが出てしまったとき、彼の肩が悲鳴をあげた。投げることさえ、ボールを手にすることさえできない苦痛の日々の始まりだった。

 もう1人、箱を受け取ってしまった選手がいた。僕と同郷の選手だ。静岡県内でも有数の強豪高かつ進学校でエースを努めた彼はタイガースにドラフトで指名され、一時はローテーションピッチャーでもあった。

しかし彼がいた頃のタイガースは球団自体がパンドラの箱を開けてしまったかのような低迷期をたどっていた。その中でもあふれる汗をぬぐおうともせずに必死に投げる彼の姿がテレビ画面に映ったことは忘れていない。

彼はやがてタイガースからパ・リーグのチームに移籍、そして引退してゆく。僕より2歳も若い、引退したときは30歳という若さで。


でも、ちょっと待ってほしい。パンドラの箱には最後に残されたものがある。これについては色々な解釈があって、どれが正しいかという経緯は分かれるが結論は同じなので書かせていただくが、パンドラが飛び出した災禍に恐ろしくなって閉めてしまった箱の底にはたった1つ残されているものがあった。

その名は『希望』(注1)。そう、箱には希望も入っていたのである。

その希望を手にした選手。前述した2人のうち、後者の名前は山崎一玄。背番号107番の打撃投手である。

一旦はタイガースから出て行くことになったが、甲子園の神様に好かれていたのだろう、孤立無援の中、懸命に投げていた姿を甲子園の神が味方したのか彼は帰ってきた。そしてその年に彼が現役では経験できなかった優勝を裏方さんとして経験する。

投手というのは打たれないようにするのが仕事のはずである。それが打たれることを仕事にする打撃投手。練習のある日、休日でも選手が練習するとなれば出てくることもあるだろう裏方さん。試合前の練習で、以前は自分が立っていた甲子園のマウンドで、打たれないように投げていたマウンドで、今度は気持ちよく打ってもらうために投げる投手。この1球が今日のヒットにつながりますように。と願いながらのマウンドだろう。そんな彼が希望を託すのは打撃陣の1本のホームラン、1本のヒットだろうか。

もう1人は福原忍。パンドラの箱から出てきた中で、一番辛かったのはあれほど夢中になっているように見えたスピードを一時諦めることだったろう。

しかし彼は箱の中の希望を見事に手に入れた。それから彼の復活への日々が始まった。キャッチボールの距離が30mに達したことが新聞に載る日もあった。投げるときに必死に歯を食いしばっている表情の奥には様々な感情が隠されているに違いない。彼の手にした希望。それは彼の投球でチームが勝つこと。彼が勝利投手になるということは、それはチームが勝つことを意味する。

確かにスピードは以前ほどは出ないだろう(それでも時々150kmを超えるが)。そのかわり渇望していた、彼の投球による勝利を得ることができ、自然とエースの称号を手に入れることが現実味を帯びてきた。何といっても今日現在(平成16年4月29日)無傷の連勝中である。

箱の中の災禍はもう出尽くした。残るは希望だけ。タイガースのパンドラの箱の中の希望を手にした男たち。山崎のピッチングはチームの打撃陣への希望(打撃陣による勝利)のために。福原のピッチングはタイガースの投手陣による希望(勝利)のために。そして僕たちタイガースファンの希望のために。甲子園の神様がくれたパンドラの箱に残った希望はまだまだこれからもタイガースの、そして甲子園を愛する人たちの頭上にあふれ続ける。



注1:一説には「前兆」。これを箱から地上に出すと、これから起こる事を予測できるようになってしまうため、人間は希望を失ってしまうとされている。いずれにしても「希望」は守られたという解釈のため、今回は広く解釈されている表現を使用しました。
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| T−コラム | 20:01 | comments(0) | trackbacks(0) |
壹品(いっぴん)
一体いつからこんなにタフになったんだろう。4月22日の中日戦での彼の投球はそう思わずにいられなかった。振り返れば今シーズンは内容と結果が伴わないせいもあり勝ち星を上げていなかったが防御率は試合を作っているといっても差し支えないものだ。

彼の今までの10年のうち、その大半は内容と結果が伴わなかった。年間防御率が2点台でも大幅に負け越した。年間200イニング近く投げても良くて勝ち星と負け数が一緒だったということもあった。「自分がエース!なんとかしなければ!」という強すぎる責任感のせいもあっただろう。随分長い間、打線の援護がなかったから少しでも点を取られることが負けにつながってしまう。そんな苦い経験が、ランナーを背負うと必要以上の意識をさせるからか、甘いところに投げて痛打されてしまう。そうこうしている間に11年目を迎え、投球イニングも1,500を数えた。

雨ニモマケズ 風ニモマケズ・・・

打線の援護がないという「雨ニモマケズ」、起用法に納得がいかなかったこともあるだろう「風ニモマケズ」、自分への怒りもあっただろう「雪ニモ夏ノアツサニモ」、それでも彼は中央アルプスの険しい岩場に咲く、風雪に耐えるクロユリのようにひたすら耐えてきた。その姿は「ピッチャーとは孤独なもの。」と誰かが言った言葉そのもののような孤高な雰囲気すら醸し出していた。

メンタルタフネス。精神的な強さの中には気が強いとか、困難に向かって行くという意味に加え、平常心を保つということも含まれているのだろう。4月22日の中日戦でも自らの降板後、味方リリーフ陣がランナーを背負っても動揺する気配を見せず、タオルで汗を拭きながら声を出しチームを勇気づける彼の姿は「エースとは味方を信じ、どんなときも動じないこと。」をベンチにいる他の選手に教えているかのようであった。

どっしりとした下半身、均整の取れた体格、ピッチャーとして必要なものは全て持っている選手、そう言われ続けて着けていたエースナンバー「18」は投手としては王様のような番号なんだろう。これがデビューから長く続いていた。そして背番号「4」に変え、その呪縛から逃れ、挑戦者として本当のエースへの道を歩み始めた男。2002年から勝ち星の数も負け数を上回り始めた。もしかしたら恐ろしく大器晩成な選手で、じっくりと自分を「造りこんでいた」のかもしれない。

彼の名前の中の1文字に「壹」という文字がある(壹=壱の旧字体)。語源は「壺」と「吉」とを合わせたもので、壺(お酒の壺)の中で酒が発酵していっぱい(吉)になる意味を示すという。

雨ニモマケズ 風ニモマケズ・・・・ 彼が「プロの水」を10年分使用して熟成してきた酒は大吟醸か、焼酎か泡盛か。それとも洋酒でワインかシングルモルトなのか。いずれにしても頑固なまでにここまで造りこんできた逸品も、そろそろ飲みごろを迎えたかもしれない。

蔦に覆われた酒蔵の奥から蔵元の藪恵壹が出してくるこだわりの「壹」品(いっぴん)。この贅沢な勝利の美酒は昨日の一杯だけでは終わらない。僕たちは目の前に出される贅沢な美酒をありがたく頂き、素直に「美味しい。」と微笑めばいい。その姿を見て蔵元も静かに微笑む。ただそれだけの話である。      
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| T−コラム | 19:46 | comments(0) | trackbacks(0) |
向日葵の揺れる中
 選手には様々な個性があるけど、ホームランにも様々な個性がある。速い打球でスタンドに突き刺すようなものもあれば、風に乗せる技ありなホームランを打つ選手もいる。

 タイガースのホームランで印象に残る選手は、やはり田淵幸一さん(前・1軍打撃コーチ)だろう。大きな大きな弧を描く滞空時間の長いホームランは、沢山の幸せを振りまきながら飛んでいく気がして、観ているこちらを幸せにしてくれた。僕は勝手に『幸せホームラン』と呼んで親しみを持っていた。これは田淵選手が西武ライオンズに移籍してからもずっと思っていたことだ。

 田淵さんの打球とは違うけど、同じように大きく空を見上げるホームランを打つ選手がタイガースに1人いる。桧山進次郎選手である。

 自分の観戦日と選手の活躍との愛称がどのくらいのものかは知らないが、昨年の観戦に限っては桧山選手との愛称は抜群だった。昨年の僕は甲子園で5試合観戦したが、そのうち3試合で桧山選手は大活躍。2回お立ち台に上がってくれた。

 4月18日 自身初のサヨナラホームランでお立ち台。
 7月18日 接戦にケリをつける決勝ホームラン。お立ち台は安藤投手。
 9月 7日 猛打賞でお立ち台。

 といった具合である。

 僕の記憶違いじゃなければ、大学生時代の桧山選手はどちらかといえばその打撃はアベレージヒッターで、ホームランバッターだったかなぁ?と思ったこともあったが、低迷期のタイガースでは4番も打ち、振り回すくせも付けてしまった。野村監督時代は代打になってしまったこともあり、試合に出られない辛さに人知れず悔し涙を流したこともあったという。しかし、そんなことを表には出さず、明るくチームを照らしつづける彼が選手会長を務めた時期にチームが優勝したのは桧山選手のチームへの気持ちと、たゆまぬ努力の賜物であることは間違いないが、加えて野球の神様からの贈り物だったのかもしれない。

 桧山選手の打撃のなかでも、左打者でありながら左中間に打球を飛ばすときのフォームの美しさは秀逸で、その打球もまるで測ったかのようにバックスクリーンの少しレフト側に飛んでゆく。
そして放たれる打球は弾丸ライナーではなく、大きな弧を描き、それはまるで太陽の軌道のような弧を描きスタンドへと飛んでゆく。その姿は他の打者とは一線を画す美しさだ。

 タイガースには投手に太陽選手がいるが、チームにも桧山進次郎選手という“太陽”が輝く。ヒーローインタビューでは誰よりも喜びを顕わにし、誠実さを隠せずにアナウンサーやファンに語りかける姿は暗闇すらも明るくしてしまう光と暖かさに満ちている。

 向日葵(ひまわり)は太陽に向かって伸び、太陽に向かって花を咲かせる。

 ライトスタンドで黄色いメガホンを振り、風に揺れる向日葵のように桧山ダンスを踊る花(観客)は桧山選手が放つ、明るさと暖かさに満ちた太陽のような打球に向かいこれからもメガホンを振り、歓声を上げ続ける。
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| T−コラム | 19:45 | comments(0) | trackbacks(0) |
蘇生
 昔の有名な誰かが「期待とは裏切られるためのものである。」とか言っていて、確かにそのとおりな出来事ばかりがあるとそう思いたくなるときもあるけど、やっぱりワクワクしてくる。そんなワクワクな雰囲気を醸し出す選手がいると、1球に夢中になってしまう。

 思えば昨年はその当たり年で、プレイボール後の最初の1球、もしくはホームであれば、最初の打席の1球は目が離せないなんてものじゃなく、仕事で残業するにしても1回自宅に帰って第1打席を見てから職場に戻って残業したいくらいだった(そのおかげで昨年は何回、残業しないように昼飯をぬいたことか・・・)。

 実際、僕も現場でそのシーンを拝見したことがある。昨年の7月18日の対広島戦。先発ピッチャー黒田からの一発だ。薄暮の空に上がった打球は途中空の色と交わり姿を消しながら、スタンドに入るまで落ちてこなかった風景は、昨年を象徴する出来事だったと記憶している。

 このドキドキ、ワクワクをくれる代表的な選手である彼自身もインタビューで語っているが、この選手のファンには逆境に立たされている人や、それを克服した人が多いということだった。

 そんな彼の野球歴はプロ野球界でも屈指のものであることは広く知られている。PL学園⇒東洋大学というルート。しかも全日本にも選出されているとくればその才能は疑いようがなく、また才能だけで片付くようなコースでないことは明らかである。

 しかし当時のその表情などから、前々監督には伝わらず、彼自身としてはおそらく初めて挫折のようなものを味わってしまうことになる。当時の中日監督の星野さん(現・SD)は彼のトレードでの獲得を検討しちゃったくらい、才能にも実力にも秀でた選手だったのに・・・である。

 心機一転。という言葉がこの場合正しいか知らないが、指揮官が代わり彼も蘇生する。それは「再生」とか「復活」とかではなく、“蘇生”という言葉のほうがいいのだろう。それまでは6番だったり7番だったりした打順も当初は2番、赤星選手が怪我をしてから1番になった。そこからは本来の彼のアグレッシブな打撃が開花し、まさに彼は蘇生した。

 彼が打席に向かい、長身の体をやや丸めて構える。スタンドからは「突撃、突撃・・・」と始まるが、それを最後まで言い終ることがないうちに大歓声に変わる。そして球場にはファンファーレが鳴り響き、その中を彼は誇らしげにダイヤモンドを1周する。昨年も観た光景・・・・これがまさか今年も見られるとは思わなかったが、僕は幸運にも今シーズンの初観戦である4月10日に2球目で早速拝見することができた。僕がオリジナル・ユニを作るとき、背中の文字は誰の応援文句を入れようかすごく迷ったが、結局この選手の、このパフォーマンスにちなんだ文句にしたことは間違いじゃなかったと思ったら本当に嬉しくなってきた。

 ゼブラとか何とか言われたこともあった。表には出ないかもしれないが、打ったあとに塁を回るときに叫んでいる姿を見れば、内に秘めるものは隠しようがないことがよくわかる。

 猛虎の背番号7番は今年も『燃える闘魂』を『このひと振りに』込めて、“戦慄の”走る第1打席を相手の先発投手とベンチに沢山お見舞いしてくれるはずだ。私は彼の誇らしげな表情が大好きなのだ。

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| T−コラム | 19:41 | comments(0) | trackbacks(0) |
酒と猛虎と男と上司
 皆さんの職場にはタイガースファンがいますか?僕の働く職場というか、企業っていうか、会社っていうか、団体にはタイガースファンが上層部に多いんです。

 実は僕の職場には『猛虎会』があるんです!あぁ、ビックリ!!で、みんなでお金を貯めて観戦ツアーもやっているとか!!というわけで、僕にもお誘いがきましたが・・・会費が高いのでやめました。いや、さすが大物が入っている会なので高いの何の!!年間4万円くらい貯めてバス借りきって日帰りで関東へ観戦って・・・4万あったら甲子園に2泊3日で行けますよ!!は?顔を売れば出世が出来るんじゃないか??出世したら会議や休日の付き合いが増えて甲子園に行けないじゃないですか?!

 で、これは以前あった職場での話です。

 僕の隣の課には、面倒見が良いけど迫力がありすぎる(ホントは優しいけど、ぱっと見、とても怖い)管理職がいます。そしてその方はタイガースファンです。課が違うので話をする機会も無かったのですが、今年の春、車での移動が一緒になりまして、話をする機会があったわけです。周りの若手は緊張感を持って会話をしています。で、その方はおっしゃいます。「俺は隠れ阪神ファンだ!」っと。そのとき、止せばいいのに私の中の猛虎魂が目を覚ましてしまいました。今年の春ですから、前年の優勝の余韻のままに連覇するぞ!と意気込んでいた時期です。私は言ってしまいました。「もう隠れなくても大丈夫ッすよ!!」。

 なんと言うことでしょう。その管理職は笑ってくれています。しかし、同時に私の顔と名前を覚えてしまったのです。それ以降、私の名前がダシに使われることになります。

 先日、他所の部署のミスで部内が迷惑したときです。その方は担当者を呼び出して叱責をしています。そのときに・・・・「見ろ!!○○(←私の本名)なんか怒りきれねぇじゃねぇか!!」・・・え?えぇっ??おれ??

 さらに先日、部内で関連のある部署で、過去数年のデータを抽出する作業をしなければならなくなりました。そのときにうちの部署の担当者の優秀な若者も呼び出され、指図を受けています。しかし非常に膨大な量で3日間は欲しいという話になったところ、その管理職様は「なにぃ?○○(←私の本名)なんか1日もあればやっちゃうぞ!!」と・・・一緒に仕事したこと無いじゃん!!なんということを・・・まぁ仲の良い連中ばかりなので笑い話で済みましたが、油断も好きもあったものじゃございません。

 まさか管理職様、あなた様がおっしゃっている1日というのは、0時から24時まで働け!!ということじゃないでしょうね?!オソロシイ・・・勘弁してくださいよ、他所の職場の仕事まで手伝っていたら、残業ばかりで試合が観れませんよ。

 もし仮に、24時間働け!とおっしゃるなら仕事ですからやらせていただきます。しかし!!午後6時から午後11時くらいまでは休憩をいただきます。だって・・・試合が観れないじゃないですか!!タイガースファンなのに分かってくれないなんて酷いんじゃな〜い??

 拙者、試合がある日は18時からタイガースの試合中継しか観ませんから!!ざんね〜ん!!

 24時間テレビを24時間見たことないから、俺の愛は地球を救えない斬り!!
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| 酒と猛虎と男と○○ | 18:50 | comments(0) | trackbacks(0) |
燃えろ金本
 アニキと呼ばれる選手がいる。

 何がどうアニキなのか、正直言って分からない時期が続いていて、自分としてもどうとらえていいのか分からなかった。

 移籍1年目の彼は、つなぐ打線の象徴ともいうべき活躍で、2番の赤星を生かし、開幕時の濱中には「打点王を取らせる。」と宣言した。そう、彼がいなければ「つなぎ」も何もあったものではなかった。

 『滅私奉公』という言葉がある。まさに彼はこの言葉どおりの活躍で、タイガースの躍進を支えてくれた。成績は自身としては納得できないものだったらしいが、MVPに押す声も高かったことはこの姿勢が高く評価された何よりの証拠だろう。

 それでも、彼は『アニキ』と呼ばれる。一体なにがアニキなのだろう?と思っていたが、意外なところで気がついてしまった。
 
 彼が首にしているネックレス(チタン入りのやつ?)を見たことがある方は大勢いると思う。彼が昨シーズンしていたものは赤い色のものであった。本人は否定するだろうけど、そこには故郷の広島東洋カープの赤を無意識に意識していたことも関係があるのではないだろうか。

 広島東洋カープ時代にFA資格を取得したとき、権利を行使してチーム残留を望んでいた彼だったが、その球団はFA行使を認めていなかった。山本監督も彼の残留を強く望み、球団に交渉もしたがそれは叶わなかった。その年の彼は自身の成績が自分でも納得しなかったらしく、「年俸減でもかまわない、再契約金も安くていい(一部報道では、ただ同然と言われてたが)から、権利だけは行使させてほしい。」と言ったということだが、それもかなわなかった。そこに星野監督(当時)の名文句「お前はタイガースに来ることになってるんや。」とともに彼はやってきた。

 まるでドラマのようだが、お互いに好きな男女(本人と山本監督)が親(球団)に仲を引き裂かれるかのような展開。タイガースに来てからも想いを忘れないためか、断ち切るためか、身につけた「赤」のネックレス。そう、彼の野球には『感謝』と『愛』があることに注目した。そうなったら彼を『アニキ』と呼ばずに何と呼ぼう。

 彼が続ける連続フルイニング出場。広島時代に、山本監督と星野監督(当時:中日監督)が「一番助かる選手は・・」という話の中で、「欠場しないで出つづける選手である。」と言っていたことを耳にし、「それなら俺は欠場しない選手になろう。」と誓ったというエピソードを聞いたことがある。その誓いを胸に今まで続けてきた努力。この男気溢れる選手をアニキと呼ばずに何と呼ぼうか。

 昨年の日本シリーズでサヨナラ・弾丸ライナー・ホームランをライトスタンドにぶち込んだとき、サードベースコーチは既に次期監督就任が内定していた岡田さんだった。その岡田さんが、アニキがサードを回るとき目を赤くして涙を浮かべていたそうだ。岡田さんにもタイガースへの言葉にできない気持ちがある。それを見て「次期監督が決まっている場合、ましてや自分がそうである場合、もうすぐ辞める監督の試合なんかは他人事のような顔をしている人もいるのだろうが、この人は違う。この人のためにも・・・」と岡田さんの気持ちに応えようと今シーズンは4番に座り出場を続ける鉄人。

 気持ちには気持ちで応える。さらに今年はホームランの分だけファンを温泉招待という懐の深さも見せる。まさしくアニキはアニキとして、タイガースを牽引するのだろう。

 首にしているネックレスの色も今シーズンからタイガース・カラーである黄色に変わった。広島への想いを今は懐の奥深くにしまい込み、タイガースへの昨年以上の強い思いが今年の彼を突き動かす。

 今年も甲子園には浜風が吹く。そのなかを名曲“SAND STORM”をバックに、打席に入る。躍動感溢れるスイングと共に、アニキの愛から放たれる打球は何十本もライトスタンドをひとまたぎするのであろう。

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| T−コラム | 19:42 | comments(0) | trackbacks(0) |
4.10観戦記
 友あり遠方より来る・・・・と漢詩にあるように、遠方の友達と久しぶりに会うことは本当に楽しみの多いことだと思う。実際に会うのは昨年暮れ以来なので期間的には4ヶ月弱ということになる。

 甲子園が縁で知り合った僕たちが再会するのはやはり甲子園であることが自然であるようだ。当初は5月14日が再会の予定日だったが、観戦仲間の「たけさん、来ない?」というまるで近所の友達を誘うかのような気さくなお誘いをいただき、4月10日にその機会を得た。遠く離れていても、気さくに声をかけていただけるほど距離を感じないで接してくれる観戦仲間には心からありがとう。なのである。

 僕が住んでいる静岡市(合併前からの←こだわり)から甲子園には、「ぷらっとこだま」という安いプランを使ったとしても、新大阪までは片道8,000円くらいはかかってしまう。時間にすれば2時間半くらいだろう。さらにそこから甲子園まで1時間弱。その道のりは遠いような近いような。はっきり言えば試合に勝てば時間は早く過ぎる。

 昨年までの数年は、関東と甲子園を交互に行き来した観戦も、今年は地元開催を除けば甲子園のみにした。1試合で帰る予定は立てずに、1回の甲子園行きで2試合を観ることにした。こうすれば1試合当りの費用を浮かせることができる。

 友達とは本当に、本当にありがたいもので3連戦の3試合目のチケットがあるということでそれを譲ってもらい、今シーズンは日曜日がデーゲームの場合に初めての3連戦観戦もできるようになった。まさか、まさかが叶ってしまうというのは本当に嬉しいものだ。実は今回も金曜日は仕事を休んでいて、友達が言うには「言ってくれれば金曜日のチケットもあったのに・・・。」というから、さらに友達のありがたさを知ることになる。

 子供の頃、遠足といえば早く起きてしまったように、試合開始は16:00なのに僕が新大阪に着いたのは11:00だった。友達へのお土産のうなぎパイは前日に買っていた。とりあえず梅田に移動してタイガースショップで2004年版のマフラータオルとメガホンを買った。そして逆戻りのような感じで西中島南方へ地下鉄で移動。ホテルを探す時間を心配することも無く、駅の目の前にあった宿泊予定のホテルを見つける。

 ここまで来て何やってんの?と言われてしまうが、向かった先はマンガ喫茶だった(汗)。何とか余りまくった時間をつぶさなければならないのだが、また目の前にあるものでつい・・・である。

 そうこうしているうちに、今回誘ってくださった観戦仲間から携帯に連絡が入り、やっと甲子園に行くことになる。阪神梅田駅で「らくやんカード」を購入し、改札をとおる。いつも来るたびに買うかどうか迷っていたのだが、やはり切符を買う手間が省けるのは楽なことで、本当に「するっと」通過する。

 時間的に電車内は甲子園に行く人たちで一杯で、この光景は別コラムを参照していただければ、僕のこの光景に対する気持ちはわかっていただけるかもしれない。

 甲子園に着いた後は、再会を喜び、そしていつものようにダイエーで食料品を買い込む。寿司とフルーツを買ったくせに、なぜかデザートのフルーツから食べ始めるという逆の順番も物事を深く考えない僕としては問題ではないことだ。

 入場前に必ずすることは、甲子園横の神社へのお参りだ。でも僕の場合は“必勝祈願”ではなく、今回も無事に甲子園に来ることができたことと雨天中止にならなかったことへのお礼を込めて手を合わせるって感じの方が的を得ていると思う。

 入場が遅くなったので試合前のパフォーマンスやスタメン発表は終わったしまったけど中へ入って目に飛び込んでくる光景は、そこが紛れも無く甲子園であるということを実感させてくれる(これもまた別コラム参照)。

 試合は辛くもタイガースの勝ち。先発の福原投手も頑張ったし、今岡選手も得意技?の戦慄の第1打席@先頭打者ホームランを見せてくれた。敵ながらドラゴンズの井上選手は怖いバッターだし、岩瀬投手には今年もてこずりそうだけど、何とかタイガースは勝利を収める。ヒーローインタビューは今岡選手。

 1人で観に来て負けられると本当にへこむものだが、仲間がいればそうでもない。負けた悔しさは人数分で割って減っていくけど、勝った喜びは人数分の倍数になってゆく。試合後は今回も様々な友達と会うことができた。うなぎパイをみんなに配って食べてもらって、以前から拝見していた、とても明るくて楽しいイラストが描かれているサイトのNさんにイラスト入りのサインを書いていただいたりして試合後も楽しい、本当に来て良かったと思える時間を過ごさせていただいた。

 翌日は今回の大きな目的のうちの1つ、鳴尾浜でファームの試合観戦だ。ファームの試合だから試合開始直前に行けばいいやと思っていたら、前日に会ったOやんから「0:30試合開始なら、11:00には着いていたほうがいいですよ。」と教えてもらった。そのアドバイスどおりに鳴尾浜に11:00前に着く。するとどうだろう、3塁側の阪神ベンチ上は既に熱心なファンが座っているではないか。Oやん教えてくれてありがとう。またも観戦仲間に助けられる。

 そんななか、何とか4席を確保して練習を見る。デーゲームばかりのファームの選手は真っ黒に日焼けした顔で上に呼ばれるときを手ぐすねひいて待っている。甲子園で見たことがある顔もあれば初めましての顔もある。中でも目をひいたのは、今年のルーキーの“小宮山”捕手。この強肩はすごい!!他の選手の2塁までの送球は、多少はおじぎをするものだが、この選手の送球はまさに直線!!速さも違うし、高校時代に相手チームが走るのをやめたのがよく分かるくらいの肩だった。これからが本当に楽しみだ。

 試合は久保田投手の先発で始まった。去年は彼が1軍で投げる試合も見てきた。まだまだ上で投げるには時間が必要かもしれないが、はまったときのすごさはやはり目を見張った。

 相手の近鉄側のベンチを見れば、元・阪神の山村投手、松田選手(シダックス→阪神→ダイエー→近鉄)などがいて、敵チームながら筧選手はいい選手だなって思った。

 試合は負けたけど、この試合の中でとても印象に残ったことがある。

 2軍の試合では応援団もいなければ、トランペットも無い。この試合、1アウト満塁のチャンスがあった。バッターは秀太選手。このとき自然にどこからとも無く、♪もえーろ秀太 根性だー・・・ と声が起こった。すると他の場所からも ♪男の意地だ 突撃秀太・・・ やがてスタンド全体から ♪男の中の男ならお前のバットで決めてやれ と秀太選手のヒッティングマーチの合唱になった。決して誰かが誘導したわけでもなく、チャンスに自然に起こったこのヒッティングマーチはファンから愛される秀太選手らしいもので、そのせいか秀太選手も粘りに粘る。追い込まれてもファールで粘り、ついに外野へ鋭い打球が飛んだ。惜しくも外野手に捕られたが犠牲フライになったが打点1を挙げた。秀太選手には是非、甲子園でこの何倍もの声援をバックにプレイしてほしい。秀太選手(と平下選手)のヒッティングマーチは数あるものの中でも名曲中の名曲なのだから。

 試合の帰りはバスの待ち時間もあり、徒歩で甲子園まで歩いた。見知らぬ町を歩くのはとても楽しいもので、また静岡で聞くことができない関西弁はとてもやわらかい言葉で耳に優しく入ってくるものだ。日差しも柔らかで散歩日和な1日は甲子園までの道のりを短いものに感じさせてくれた。

 甲子園から阪神電車→地下鉄→新幹線で帰宅する。551の豚まん買って、土産を少々買い込みながら。帰りの新幹線では隣の席に必要以上に密着しあう男女・・・じゃなくて男と男!!がいて非常に奇妙な空気が流れたが、無事に帰宅できた。

 いつもいつも同じことばかりでお恥ずかしいのだが、本当に観戦仲間のみんなには感謝してもしきれない気持ちがある。大阪、兵庫、和歌山、京都と離れていても静岡にいる私を心配してくれる気持ちには本当に感謝している。今年も沢山の感動と想い出を積み重ねていけることを確信した甲子園1泊2日の観戦であった。
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| T−コラム | 20:19 | comments(0) | trackbacks(0) |
終わらない終わり
 いよいよお楽しみが始まった。そんな感じの3連戦だった。史上最強打線がどうの・・・っていうのは他の巨人ファンが勝手にやってくれればいい話で、僕たちのタイガースは等身大のタイガースであれば勝てるという感触を持った人は大勢いたのだと思う。

 よく讀賣さんとNYヤンキースを比較する人がいる。どちらも金額よりも勝利にこだわり、有力FA選手を取りまくるところは似ていないわけでもない。でも、讀賣さんはポジションがかぶる選手を取り漁るけど、NYヤンキースは必要なポジションに徹底的にこだわり、そのポジションの最高の選手を取るためなら、現在のレギュラー選手であっても放出する。これぞ適材適所というやつを地で行く補強をするという点では、どちらかといえばピンストライプと縦ジマのここ数年のタイガースのほうがタイプは似ていると思っている。

 決して無駄な戦力は獲得しない。ポジションがかぶる選手はいるけど、出られない選手がゴネたり腐ったりしていない。ベンチに一体感がある。という点は、日本のヤンキース気取りのチームには無いものだ。そもそも一緒にしたらオーナーのスタインブレーナー氏が血相変えて怒りそうだ。

 メジャーリーグとのオープン戦の結果は別物と思っていたけど、どうやらあの結果を見ると、そうそう別物でもなかったらしいし、むしろ両チームを比較する良い試験紙だったような気がしている。

 昨年の快進撃はNYポストだったか、ワシントンポストだったか、APだったか忘れたけど、『この快進撃はUSAで例えると、ボストン・レッドソックスが優勝するようなもので・・・』と紹介された。確かに両チームには共通点は多い。両チームとも長い長い伝統があるチームで熱狂的なファンがいて、強いライバルチームを持っていて、優勝から遠ざかっていて、ボストンには『バンビーノの呪い』があって、阪神には『カーネルサンダースの呪い』があるなど・・・。

 でも、そんなことを言っていても、その間ボストンはそれなりにプレイオフなんかにも出場しているし、タイガースはそれすらも叶わないくらいの成績を続けてしまった。タイプって言うのは似ているチームもあるけど、やはり独自の歴史は独自のものだ。

 昨年の快進撃は、確かにボストン風だったかもしれない。ならば今年もするであろう快進撃はどのように例えられるのか?興味は尽きない。どん底まで見た伝統チームが『闘将』により生まれ変わり、常勝チームになってゆく姿は映画の『メジャーリーグ』に似ていなくもないけど、言っちゃ悪いがもっと崇高なものに感じられる。

 ついにゆく 道とはかねて きゝしかど 昨日今日とは 思わざりしと

 とは、なりひらの朝臣が詠んだ歌(古今和歌集に載ってるよ)で、この場合の『つい』=『終』とは、人生の終=『死』ということになるんだろう。辞世の句って感じのものらしい。でもタイガースに当てはめて考えれば、この歌はどこまでもポジティブなものに聞こえてくる。

 『終』とは、常勝軍団としての姿であり、そのための道は頭では分かっている。でも、それができる日が来るとは思ってもいなかった。でも、それがついに目の前に見えるところまで来たのだ。あとは勇気を出して歩んでゆくかどうかだけ。そしてタイガースには『終』わりがないのだ。

 願わくば、どうか今シーズンも幸せな結果が得られますように。そして何度も生まれ変わりながら最高のチームになり、そしてそうあり続けるタイガースでありますように。
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| T−コラム | 19:38 | comments(0) | trackbacks(0) |