タテジマとファイブアローズに魅せられて

　初心。野球を始めた頃の気持ち。プロに入った頃の気持ち。それを見せてくれた。

　井川慶。ＳＨＩＮＪＯ選手に影響を受けたと言われている選手。その選手が今日は違う一面を見せた。

　久保コーチによれば２００２年や２００３年の良い頃の映像を見てイメージを植えつけていたと言うことだ。

　ＳＨＩＮＪＯ選手が背中で教えてくれた大切なもの。初心。

　メッツの新人球団記録の１２捕殺を記録したＳＨＩＮＪＯのように思い切り投げる。体の捻りを少なめにする。マウンドからは走ってベンチに帰った。全てが初心を思い起こさせるかのようだった。

　打線は集中打で援護する。今月は見慣れた試合展開。例えリードされても逆転するだろう。先制したら逃げ切るだろう。そんな信頼感がチームとファンの間にある。

　でも井川は苦しんでいた。いつしかエースと言う言葉だけが独り歩き。ファンも井川の登板は半信半疑で見ていたと思う。２００５年は下さんが、２００６年は福原投手が信頼を得ることに。こんなはずではない。苦悩もあっただろう。だからこそいつも明るく振舞っているＳＨＩＮＪＯ選手が眩しかった。その選手が背中の背番号で教えてくれた『初心』。

　本当はそこに明るさが加わるはずだった。打撃練習でホームランが少年のキン●マを直撃！お詫びにサインをするくらいのおおらかさがあれば。。。。。でもそれが表れないことが井川らしさだった。

　最後の打者を打ち取った。天を仰ぎ涙した。理由は分からない。でも俺はきっと井川投手の心に新庄先輩がいたんだと思っている。

　勢いのあるチームに乗り遅れたくはない。北海道で新庄選手が見せた涙。甲子園で井川投手が見せた涙。大好きなことをしているのに、大好きな場所にいるのにこんなに切なさを感じる場所。それも初心が強烈で、本当に大切だから。

　明るく楽しく。文字で残されたメッセージ。初心。背中で語ったメッセージ。ＳＨＩＮＪＯ選手の背番号６３はタイガースでしか付けていない背番号。きっとタイガースを今でも。。。このＯＢのためにもタイガースは勝ち進まなくてはならない。

　「明日も勝つ！」とは新庄選手が残してしまった迷言！！その言葉はあまりにも・・・・・で、お蔵入りさせなきゃいけない。なので今は「全部勝つ！」と言っている。その初心、「勝ちたい！」という気持ち。今のチームに本当に必要な気持ち。だから勝ち進むしかない。

　勝とうぜ！阪神タイガース！！

　勝ち進んだその先に、ＳＨＩＮＪＯ選手が待っていると信じて。