タテジマとファイブアローズに魅せられて

　以前、近鉄時代に鳴尾浜で山村投手が投げているところを見た。好きな投手だっただけに好投が嬉しかった。

　今日だって好投。特別、球が速いわけではない。でも経験と精神的な強さは培われている。それが甲子園という大舞台でも物怖じすることなく発揮されていたことは嬉しかった。

　沖原選手、関川選手、カツノリ選手も元気そうにプレー。タイガースＯＢ、一度はタイガースのユニフォームに袖を通した選手の元気そうな姿を観ることは嬉しさがある。

　相手ベンチにはノムさん。低迷期のタイガースに赤星選手など、現在レギュラーで大活躍している選手を入団させた功労者。今岡選手とかとは折り合いが悪かったようで・・・・・でも功績は今になって感じることが多い。

　山村投手の好投、少ないチャンスで得点、スクイズの振り？などもした。弱いチームで勝ちに行く。まさにノムさんの頭脳の出番だった。

　もしも昨日、楽天が雨の振り替え日で試合が無かったら。もしも昨日、延長１２回で逆に勝っていたら。もしも昨日、ベンチ入りした９人の投手全員を使っていなかったら。もしも今日、移動して試合という日ではなかったら。という「４つのもしも」があったらタイガースは負けていた「かも」しれない。とでも書きたくなるくらいの選手層の違いだった。

　たしかにノムさんの呪文のような囁きや作戦は不気味だった。以前のタイガースならその呪文のままに気がついたら負けていただろう。でも今のセ･リーグにはノムさんと同じような「呪文系」監督の落合氏がいる。それだけでも呪文には免疫が出来ているので試合終盤には呪文は解けた。それにノムさんを知らないであろう、スペンサー選手には呪文が効かなかったと思われる。そしてあのホームラン。あれで一気にチーム全体の目が覚めた。そうか、岡田監督がスペンサー選手を残したのはそういうことだったのか。

　そう、俺たちは中日に借りを返して星を五分にするまでは負けるわけにはいかない。そっちの「呪文」を跳ね返さないといけないんだから、ここで呪文にかかっている場合じゃない。現時点で順位が下位のチームに負けるわけにはいかないんだ。

　試合に勝った嬉しさ、タイガースに在籍した選手が元気そうだった嬉しさ。２つの嬉しさを感じることができた好ゲームだった。


　ブログ２周年まであと２日。