タテジマとファイブアローズに魅せられて

　今日はお立ち台のインタビュアーのほうが盛り上がっていたようで、坂選手が併殺に絡んだ場面のプレーのことを「ナイスプレー」というところを「ナイス“あれは”プレーでしたねぇ。」とか言ってしまってなかったか？それほどの興奮は俺もテレビを見ながら共感していた。

　ブラゼル選手を外して臨んだ一戦は投手戦。能見投手が先制を許すのだが守りの守り立てもあり最少失点で切り抜けた。その裏に同点だけじゃなくて逆転まで行けたところが良かったね。そして関本選手！！やっぱりベンチじゃ勿体無いけど、こういった起用でも攻守に存在を示すことが出来るのは流石としか言いようが無い。貴重な選手である。

　新井選手は相変わらず甘い球を見逃して難しい球に手を出しているのだが、３点目となったタイムリーはよくヒットにしたと思う。こういった粘り腰は今後の戦いで絶対に必要。今年積み重ねた１００を超える打点、それはこういったしぶとく運ぶヒットで積み重ねてきた数字でもある。

　なんてったって能見投手が粘ってくれた。登板間隔が変則になっているのだが今夜も自身連勝中の読売相手に好投を見せた。

　１アウト１，３塁のピンチを迎えたのだが、ここで三振を獲れるところが能見投手の凄いところ。テレビではフォークにも見えたのだが上手く相手のスイングから外してカウントをとると思いきや、大道選手に見せたようなストレートのキレも流石であった。

　今後の戦いにおいてキーになりそうな気がするのは坂選手だ。今年も大半はファームで過ごしたが、ここ数試合は素晴らしい活躍を見せている。

　多くの対戦球団にあって、坂選手のデータはそれほど多くいないのではないか。ということは、今の時期はデータが無い分、相手が不利な気がする。相手が研究してくる前に坂選手が打ちまくるとか、調子を更に上げるとかできれば恐怖の下位打線ということになる。ミートの上手さは折り紙つき。何気に長打もある好打者がこの時期に出てきたことはチームにとっても大きなプラスである。

　残り試合も少ない。そして１つも負けられない。こんな厳しい状況の中で戦うことは滅多に無い。そしてこういった状況の中にあっても若い選手がベンチ入りし貴重な経験を積んでいる。そしてその中から坂選手のようにお立ち台にあがるまでになった選手もいる。

　明日は矢野さんの引退セレモニー。出場選手登録されるのか？と言われれば、今の時期に１軍ベンチにいる選手で、最低１０日間抹消できる選手がいるかどうかといえば微妙である。それでもきっと何点差でも最後に出てくるであろう球児投手のボールは受けさせてあげたい。そんな風にも思う。

　首の皮１枚。その状況は変わらない。でも明日につなぐ希望を残すことに成功した。必死に戦う阪神タイガース。明日もきっと、みんなが笑顔で試合を終えるために、そして矢野さんのために、選手は全力で頑張ってくれるはずだ。