タテジマとファイブアローズに魅せられて

　５回のチャンス。広大選手のセンター前で新井さんが三進。これが大きかった。

　ベンチは内海からの連打が難しいと思ったのか？確かに４回まで１安打に抑えられていた。そこでベンチはスクイズ指令。これを狩野選手が足下にファールしてしまう。

　ここで切り替えられなかったというが、実際には何も考えられなかったとでも言うべきなのかもしれない。来た球を振る。このシンプルな思考で落ちる球を拾った打球は伸びてレフトスタンドに突き刺さった。

　思えば狩野選手のプロ初安打がサヨナラだった試合も狩野選手は同じ読売の豊田の落ちる球をすくい上げている。低めへの適応力がある選手なのだろう。

　これで逆転。そしてダメ押しもあり追加点もありタイガースは勝った。同点止まりではなく逆転までできたことが大きい。

　こういったスクイズ失敗の場合、想像できるのは三振か凡打。アウトになることは想像できてもまさかホームランは想像できない。スクイズ失敗でも３塁ランナーが挟まれたわけでもない。こういうところに今日の運があった。

　能見投手は序盤からランナーを背負う。でも失点は７回投げて１だけ。これほどの粘りの投球ができるのは確かな成長の証である。

　ウィリアムス投手退団なんていうニュースもあった。今岡選手の件についてもニュースがあった。両者共に特に好きな選手であるので非常に複雑な気持ちだが、現在進行形で成長を見せる選手もいるのだ。

　阪神が首位読売に勝ち、２位中日は３位ヤクルトに勝ち、ベイスターズは僅差の５位にいるカープを破った。見事な互助会である。

　劇的なホームランで勝った試合である。だがスクイズが必要な場面で決めることも重要。負けられない試合が続く中で、確実にスクイズを決めなければならない場面は必ず訪れる。そのときに決めることが出来るように。早い話が勝って兜の緒を締めよってことである。