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タテジマとファイブアローズに魅せられて

阪神タイガースはもちろん、Bリーグの香川ファイブアローズも応援中。
野球もバスケも素人目線です。お手柔らかに!
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タイガースを愛しつづけた人へ(追悼文)
 僕の近所に腕の良い仕立て屋さんがいた。フルオーダーメイドのスーツなんて作る余裕がない僕だったけど、寸法直しや気に入ったシャツをジャケットタイプに加工してもらったり、お世話になっていた。

 でもある日、その仕立て屋さんの姿が見えないことに気付いた。そしてそのおじさんが末期ガンであることと、タイガースが大好きであることを僕は親から知らされた。

 それは2003年の5月頃、タイガースは史上稀に見るペースで勝ち星を重ねていた。

 ご家族は枕もとで、病床のおじさんに「お父さん、今日もタイガースが勝ったよ。」と語りかけ、励ましていたんだそうだ。そして僕にも「六甲颪を聴かせてあげたい。」というお願いがあり、僕はCDから六甲颪と選手のヒッティングマーチを録音してお渡しした。

 そして梅田のタイガースショップでタオルなどを買い、ご家族にお渡しした。

 余命がその時点でどのくらいあったか分からないけど、自宅療養の時点で長くは無いことは薄々気がついていた。優勝まで持つのだろうか?日本シリーズまで持つのだろうか?そんなことも頭をよぎった。

 タイガースは勝ちつづけた。そして2003年9月15日、セ・リーグ優勝を決めた。そのとき、おじさんは意識があったかどうかは分からないけど、とにかく生きていることは分かった。

 嬉しかっただろうなぁ。そう思った。そして何としても日本一になって欲しい。日本一になるところを見て欲しいし僕も見たい。そう思った。多くの人がそれぞれの想いを持ってタイガースに声援を送っている。そのなかには余命が少ししかない人もいたと思う。

 やがて日本シリーズが始まった。願いは叶わなかった。タイガースは日本一にはなれなかった。そしてしばらくして、おじさんがお亡くなりになった話を親から聞いた。僕がプレゼントした六甲颪の録音テープを何回も聴いてくださっていたそうだ。

 日本一、見せたかったな。見て欲しかったな。他に言葉が無いけど、そう思った。

 沢山のファンがそれぞれの想いでタイガースを応援する。応援の仕方が合わない人だっているし、ファン同士で喧嘩もするだろう。でもタイガースを好きな気持ちは持ちつづけたい。タイガースファンは球場に行ける人ばかりじゃなくて、離れているところにも、新聞でしか結果を知ることが出来ない人にも沢山いる。その思いがタイガースへの愛情として積って行く。

 今年もシーズンが始まる。

♪ 何度でも、何度でも、僕は生まれ変わってゆける。そしていつか君と見た夢の続きを・・・・・ 

 観戦仲間のおかやんもブログにいつか記事にしていた、ミスチルの『蘇生』という曲。曲の最後は確かこう結ばれている。「そうだまだやりかけた未来がある。」

 タイガースにはやりかけた未来がある。この世では再び日本一を見ることが出来なかった人もいただろう。でも生きている今、精一杯の後悔しない気持ちで今年もタイガースを応援したい。

 満員のスタンドでも、数年前みたいに閑散としたスタンドであっても、家でも職場でも、電車の中でもデート中でもどこであっても。

 あと2週間もすれば桜が咲き始める。そして満開か散り始める頃に今年もまた、僕の気持ちの中で諦めない折れない心でタイガースを観る長い季節が始まる。


 




 新居が外構部分を除き完成しましたので、引越作業の関係で19日から21日まで更新をお休みします。よろしくお願いします。
| T−コラム | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) |