タテジマとファイブアローズに魅せられて

　「早く帰ってこい！」という言葉をなぜか最初に思い出す。

　これはいつだったかなぁ？あれは何年も前の夏だったと思うけど、当時圧倒的威力を誇ったＪＦＫの中で球児投手が体調を崩してファームに行ったのかな？その期間をジェフと久保田投手の２人が踏ん張った期間があって、その期間中にあった甲子園の試合でＪとＫが相手を抑えきった。その試合のヒーローインタビューでインタビュアーが「今日はいないけど球児投手に一言を。」と促した後に久保田投手が発したのが冒頭の言葉。なんか言いなれてなさそうな照れたような様子がまず最初に頭に浮かんだ。

　２００５年の抑えでありながら、球児投手が抑えになって以降はセットアッパーとして大車輪の活躍。「勝っていても負けていても久保田」というシーズンは年間９０試合登板。この記録もさすがに当分破られないんじゃないか？

　春のキャンプのブルペンでは毎年のようにチームで一番投げ込んでいた。先発希望もあったかもしれないけど・・・・・でも毎試合のように出てきた姿は本当に凄かった。

　ランナーを背負ったり、失点したり。それが目立つ印象を持ってしまった時期もあったので、久保田投手の名前がアナウンスされただけでざわつくお客さん、ヤジを飛ばす人、ヤジ以上に罵倒する人が結構いて、それが耳に入るたびに「黙らせてやれ！」と何度も観客席にいながら思ったものだ。

　ここ数年は１軍で姿を見ることも少なくなって、移籍しちゃうのか？戦力外通告じゃないだろうな？ってことをオフになると思っていた。

　寂しいことだけど引退ということは、久保田投手の経歴が、現時点ではこれからもタイガースだけであるということ。チームの功労者ということで、球団側もなんらかの居場所を用意する意向もあるようだし、できればこれからもタイガースと共にいてほしい。

　「お疲れ様。」っていうより「ありがとう。」の方がしっくりくる。そんな気持ちにさせてくれた久保田投手が引退する。ん〜・・・・・寂しいよ。