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タテジマとファイブアローズに魅せられて

阪神タイガースはもちろん、Bリーグの香川ファイブアローズも応援中。
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蘇生
 昔の有名な誰かが「期待とは裏切られるためのものである。」とか言っていて、確かにそのとおりな出来事ばかりがあるとそう思いたくなるときもあるけど、やっぱりワクワクしてくる。そんなワクワクな雰囲気を醸し出す選手がいると、1球に夢中になってしまう。

 思えば昨年はその当たり年で、プレイボール後の最初の1球、もしくはホームであれば、最初の打席の1球は目が離せないなんてものじゃなく、仕事で残業するにしても1回自宅に帰って第1打席を見てから職場に戻って残業したいくらいだった(そのおかげで昨年は何回、残業しないように昼飯をぬいたことか・・・)。

 実際、僕も現場でそのシーンを拝見したことがある。昨年の7月18日の対広島戦。先発ピッチャー黒田からの一発だ。薄暮の空に上がった打球は途中空の色と交わり姿を消しながら、スタンドに入るまで落ちてこなかった風景は、昨年を象徴する出来事だったと記憶している。

 このドキドキ、ワクワクをくれる代表的な選手である彼自身もインタビューで語っているが、この選手のファンには逆境に立たされている人や、それを克服した人が多いということだった。

 そんな彼の野球歴はプロ野球界でも屈指のものであることは広く知られている。PL学園⇒東洋大学というルート。しかも全日本にも選出されているとくればその才能は疑いようがなく、また才能だけで片付くようなコースでないことは明らかである。

 しかし当時のその表情などから、前々監督には伝わらず、彼自身としてはおそらく初めて挫折のようなものを味わってしまうことになる。当時の中日監督の星野さん(現・SD)は彼のトレードでの獲得を検討しちゃったくらい、才能にも実力にも秀でた選手だったのに・・・である。

 心機一転。という言葉がこの場合正しいか知らないが、指揮官が代わり彼も蘇生する。それは「再生」とか「復活」とかではなく、“蘇生”という言葉のほうがいいのだろう。それまでは6番だったり7番だったりした打順も当初は2番、赤星選手が怪我をしてから1番になった。そこからは本来の彼のアグレッシブな打撃が開花し、まさに彼は蘇生した。

 彼が打席に向かい、長身の体をやや丸めて構える。スタンドからは「突撃、突撃・・・」と始まるが、それを最後まで言い終ることがないうちに大歓声に変わる。そして球場にはファンファーレが鳴り響き、その中を彼は誇らしげにダイヤモンドを1周する。昨年も観た光景・・・・これがまさか今年も見られるとは思わなかったが、僕は幸運にも今シーズンの初観戦である4月10日に2球目で早速拝見することができた。僕がオリジナル・ユニを作るとき、背中の文字は誰の応援文句を入れようかすごく迷ったが、結局この選手の、このパフォーマンスにちなんだ文句にしたことは間違いじゃなかったと思ったら本当に嬉しくなってきた。

 ゼブラとか何とか言われたこともあった。表には出ないかもしれないが、打ったあとに塁を回るときに叫んでいる姿を見れば、内に秘めるものは隠しようがないことがよくわかる。

 猛虎の背番号7番は今年も『燃える闘魂』を『このひと振りに』込めて、“戦慄の”走る第1打席を相手の先発投手とベンチに沢山お見舞いしてくれるはずだ。私は彼の誇らしげな表情が大好きなのだ。

4.20
| T−コラム | 19:41 | comments(0) | trackbacks(0) |









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