タテジマとファイブアローズに魅せられて

　藪さんは俺の中で一緒に戦った同年代の仲間って感覚がある。これは桧山選手にも同じ感覚。

　あの暗黒時代に藪さんが投げた試合を、俺は何度も見た。素晴らしい立ち上がりなのに、投手相手に四球だか死球を出して突如として崩れる・・・・・そんなのをハマスタのレフトで雨が降る中で見たこともあった。もちろん負けた。

　でも俺の中の藪さんは本当にかっこいい選手だ。それはきっといつまでも変わらない。打たれても、大きく負け越しても藪さんは投げていたし、俺も応援していた。

　もし・・・・・打撃のバックアップがあったらもっと勝っていたかもしれない。少しでも先に点を獲られたら負ける・・・・・そんな空気が充満していた時代のエースである。

　その藪さんが現在はアメリカ独立リーグを視野に入れながらも現役続行の方向で調整していると聞く。

　タイガースにとっては数字以上の功労者である。その選手が苦労するのは分かっていてＭＬＢのマイナーリーグでもない独立リーグで挑戦すると言っているのだ。

　もしも許されるなら、先発不足の阪神タイガースで投げることはできないのだろうか？１ファンとしてのノスタルジーであることは否定しない。でも最後のひと花をを見たいのだ。タテジマを着て投げる藪さんが見たいのだ。そして何年後でもいいから藪さんの現役生活を阪神タイガースで終わらせてほしいのだ。

　メンタルタフネス。この言葉を俺は藪さんから知った。自分の人生に影響を与えてくれた藪さんがタイガースで投げる姿を見たい。それがもし叶う可能性があるならばどうか叶えてほしい。そんな願いを今持っている。