そんな顔して・・・(後半)
試合後は選手と監督、コーチがグランド中央に並びファンに感謝の意を伝えてくれました。ファンの間から岡田コールが沸きあがります。こんな場面で岡田コールするんじゃなくて、胴上げのときに岡田コールをしたいのに・・・・・それが正直な言葉でした。なんか伝えたくなったんですよね。私は大声で叫んでいました。
「悪いのは岡田ちゃうぞー!!(以下略)」
私は岡田監督の辞任を通じて感じたことはこのエントリーの前半に書いた信頼という言葉でした。
岡田監督は敗戦のときに「先発がなぁ・・・」とか、「打つほうがなぁ・・・」と報道されることが多い監督です。でもそれは決して責任転嫁ではないと思うのです。文章となる言葉だけだとそう受け取ってしまうのかもしれませんが、試合に出す・・・・・つまり選手の力を信頼しているからこそ、その力が出し切れずに敗れた試合で言葉に出てしまうんだと思います。それが「先発がなぁ(力はあるんやけどな。行けると思って使ったんやけどなぁ)」って感じだと思うんです。
考えてみれば岡田監督は多くの選手の野球人生を成功に導いています。
球児投手を先発からセットアッパー、そしてクローザーに転換して球界を代表する選手にしたこと。JFKの結成。今では後ろに力のある投手を3人揃えるのは当たり前のようになっていますが、これをタイガースで実践したのは岡田監督でした。
金本選手をタイガースの4番に据えたのも岡田監督。2005年から安藤投手を先発に戻し、2桁勝てる投手として起用したもの岡田監督でした。
鳥谷選手のショート起用。当初は賛否両論でしたが我慢して起用を続けて不動のものにしました。
今年一番変わったのは鳥谷選手でしょう。サードゴロ、ショートゴロでも1塁まで全力疾走です。1塁ベース上に到達するときは、まるで陸上競技の短距離ランナーがゴールテープを切るように走り抜けます。これも起用を続けてくれた監督への信頼のお返しだと思うのは考えすぎでしょうか。
数え上げればキリが無いのですが、この信頼が監督と選手をつないでいたと思うのです。だからこの信頼が岡田監督の辞任によって、例えそれが一時の出来事であっても切れてしまう気がするのが寂しいんです。
このところ、私はこのブログで阪神タイガースの野球は心の野球である。と書き続けました。それは紛れも無く本心であり、気持ちを切らず、心を折らず戦う姿を見たいと願い続けていたからです(その気持ちは赤星選手のプレーから一番伝わってきました)。
では岡田阪神にとって、岡田阪神タイガースの野球とは何だったんでしょうか?それが私にはハッキリとわかりました。それは“心をつなぐ野球”・・・・・信頼の野球だったんですね。不安もあったと思いますが、なんとかこの選手に勝たせたい。なんとかこの選手に打たせたい。なんとかファンに・・・・・そんな気持ちが現れていた野球。そんな気がします。でも私のようなファンがその気持ちを充分に受け止められていたのだろうか?それが今となっては非常に悔しいんです。
私がここで文章を書いたからといって選手がヒットを打つわけではないでしょう。投手が三振を奪うわけでもないでしょう。それは分かっているのですが、このちっぽけなブログを通じてもっともっと応援できたんじゃないか?!年々文章が下手になっちゃって申し訳ないんですけど、そんな気持ちに今はなっています。それが本当に悔しいです。(こんなこと書くと「そんなこと無いよ。」ってコメント欲しがっているみたいでカッコ悪いんですけど、今日だけは勘弁してください。)
私はこれからも阪神タイガースを応援します。でも今年の残り試合・・・・・それはクライマックスシリーズですが、これは本当に特別な気持ちで応援すると思います。なぜならこのまま辞めちゃうなんて寂しすぎるから。悔しすぎるから。だから最後の最後まで、可能性のある限りタイガースと一緒に戦いたいです。辞めちゃうんだったら一番高いところの胴上げで送りたいです。
現役時代に日本一を5番打者として経験した生え抜きの監督による岡田阪神の信頼の野球の集大成!日本シリーズ制覇を心から願って。