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タテジマとファイブアローズに魅せられて

阪神タイガースはもちろん、Bリーグの香川ファイブアローズも応援中。
野球もバスケも素人目線です。お手柔らかに!
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咲き誇れ、その腕(かいな)
 どうにも優雅な速球派になったものだ。あのホップするストレートは誰にでも真似が出来るものではない。ドラマや漫画の世界の中の話かと思ったほどだ。野球漫画の名作「ドカベン」でもあんな球は投げていない気がするし、巨人の星でもあぁいう種類の球は無かったような。あ、「レッドビッキーズ」にはあったかな?

 登場する時に思わずみんなで歌ってしまう「every little thing , every precious thing」。この曲を選んだきっかけは昨年のオールスターに出たときにデイリースポーツに掲載された特別手記に載っているので省略するけど、家族の、奥さんへの感謝の心が、思いが詰まった選曲だと聞いて、俺は彼の初勝利のシーンを思い出した。
 松坂投手と同学年。球界に数多い松坂世代のドラ1の肩書きに苦しんでいたのだろう。周囲の期待する眼にも耐えただろう。

 彼をドラフトで指名する時、スポーツ新聞での彼の評価は「特A」、早い話が松坂投手と同レベルという評価だった。その選手がタイガースにやってくる!心は躍った。

 その前年に入団していた藤田(現・太陽)投手とともに、これからのタイガースの先発を向う10年背負ってくれるものと信じていた。

 頭角をあらわすまで時間がかかった。その中で掴んだ先発初勝利。確か関東の球場だったと思う。確か神宮だった気がする。3塁側のベンチ前でインタビューに答える彼の目からは涙がこぼれんばかりになっていた。そして「家族に感謝したいです。」そう語っていた気がする。

 彼を支える「感謝」の気持ち。周りがあって自分がある気持ち。配置転換が大成功して、球界を代表するセットアッパーになったとき、きっとこれは性格的にも大丈夫に違いないと思う気持ちとそう思いたい気持ちが俺の中でも交錯した。しかし結果は誰もが予想しない見事すぎるものだった。

 「あいつからは点が取れない。」という投手だった2005年の序盤から中盤。それが同じ年の終盤には「あいつの球は打てない。」に変わっていた。今年記録したゼロ行進の球団記録は偶然でもなんでもなく、実力という言葉以上の必然だった。

 家族への感謝、ブルペン仲間への感謝。それを隠さずに表現できる彼は素晴らしい。

 唸りを上げる速球。マウンドから一直線にコースめがけて軌道を描く速球。

 野球だったら「砂埃を上げて」とか「砂塵を切り裂いて」なんて感じになるんだろうけど、ゆったりしたフォームから一転して投げ込まれる速球はそんな荒々しさではなく、実に優雅にそれでいて切なさと儚さと、何ともいえない情緒を乗せてミットめがけて飛んで行く。それはまるで花吹雪が舞う中の風のように。

 暗闇を切り裂いて。でも雄々しいとか荒々しい切り裂き方ではない。桜吹雪が舞う中を風が通り抜けてゆく。そんな感じのストレートを見ることが出来るのを俺たちは幸せだと思わなければいけない。

 彼は現在はストッパーとして活躍している。マウンドに上がったら桜吹雪の出番。いよっ!虎の金さん!!

 速いだけじゃない、凄いだけでもない。様々な思いを込めた細腕からの奇跡の速球。マウンドに上がって地を慣らして歩数を数えて投球へ。そして繰り出す桜吹雪剛速球。何度観たってそのたびに驚く。相手にとっては1回見ただけで忘れることが出来ない速球。そう、今の球児くんにはこのセリフで決めてもらおう。

 「『この桜吹雪を忘れた』とは言わせない!」
| T−コラム | 00:03 | comments(0) | trackbacks(0) |









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