Love Letter
「おはようございます。」
僕の職場では朝礼がある。ここで毎朝交代で挨拶と共に朝の一言があるんだけど、先日僕の当番が来てしまった。
色々考えた挙句、やはり今年度の1回目はタイガースに関して話しておこうと思った。
4月の人事異動で入れ替わってから初めての当番で、まだ僕がタイガースのファンであることを知らない人もいるかもしれないのでそう思った。(でも実際には全員、僕がタイガースファンと知っていた)
好きなものに(または好きなことを)好きと分かりやすくはっきり言うことは、勇気が要るけどとても大切なことだ。どうしても頭で考え込んでしまいがちだけど、そんなことに時間をかけるくらいなら、行動に移したほうがよっぽど精神的にも健康だ。そもそも好きなのは自分自身の問題で、最初は人の力を借りるにしてもいつまでも人を当てに・・・というわけにも行かないし、結局は自分で何とかしなきゃならない。成功するために行動力と決断力はものすごく大事な要素なんだ。
そんなことを考えていたら、僕がタイガースに夢中になった日のことを思い出した。
僕がタイガースを好きになったのは縦ジマのユニフォームに一目ぼれしたのがきっかけだった。テレビで見る縦ジマは勇ましく、とてもかっこよく見えた。
阪神戦を生で見る機会は僕が住んでいる静岡では数年に1回あるかないかでしかも必ずビジター。阪神タイガース主催試合は静岡ではありえない。つまり縦ジマのユニフォームを着て試合をするタイガースを観ることは静岡から出ないうちはありえない。これは大問題だった。つまり僕が甲子園に行かなければ縦ジマを着て戦う選手を生で見れないのだ。
そう思ったら行動に移すしかない。甲子園に行きたい。縦ジマを生で見たい。タイガースを好きな気持ちを観客席から大きな声でぶつけたい。その一心だった。
何か好きなものがあって、それに近づきたい、実現させたいと思った場合、方法を考える時間はほとんどの場合短くて簡単な方がいい。余計なことを考えて目先を曇らせる暇があったら、物事の本質と正しい目的を見つめた方がいい。自分が思うだけで相手のほうから近づいてくるなんてのはドラマや漫画の世界だけだと思っておけば間違いない。楽して成果が得られるなんてのも、よほど恵まれているごく一部の人だけだ。
仕事を工夫して、時間を作って、お金を貯めて、やっとのことで甲子園にたどり着いたのは高校卒業後に就職してから。初めて座った甲子園は1塁側のアルプス席だった。初めて観戦した甲子園は想像以上に大きくて、温かくて、言葉では言い表せないくらい素晴らしいところで、試合には負けたけど行けただけで大満足だった。観客席で歌う六甲颪はどんな名曲よりも心に響き、耳の奥に残った。
次の目標は観戦した試合に勝つことだった。その試合までは数試合(つまり数年)かかるわけだけど、ついに勝った後の帰りの阪神電車は格別の空間だった。そのときのことが忘れられなくて、僕は今年も甲子園に行く。
はっきり言って、甲子園は聖地だ。今でも僕は聖地に行く前には気を引き締める。些細なことだけど、いつもより丁寧に電話に出たり、職場のゴミ拾いをしたり、というように少しいいひとになったりもする。聖地に行くには聖地に行くに相応しい自分でなければ申し訳ないような気がしているからだ。そしてタイガースを応援するために甲子園に行く。他に余計な目的はない。そしてそこに同じ目的の友達がいることを喜ぶ。それで充分だと思う。
サザンオールスターズをみんな知っていると思う。彼らはキーボードの原由子さんが産休中はソロ活動をしていた。その期間を経て再活動を開始した際のライブで、ボーカルの桑田さんはこう言った。「何でも考え、何でも知って、何でもかんでもやってみよう。」
何でも考え、何でも知るところまでは誰でもできる。あとは何でもかんでも『やってみる』ことだ。『やってみる』・・・僕の場合は甲子園に行くために踏み出した、はじめの一歩のことだった。
朝礼で少し話をするだけでここまで考える僕はきっと考えすぎだろう。今年度のメンバーの前でしゃべるのは初めてだったので、今回は特に分かりやすく、好きなものを好きと言ってみた。それはちょっとした選手宣誓だった。
「おはようございます。私は阪神タイガースが大好きです。去年私が休暇を頂くと『また甲子園か。』とよく言われましたが、はっきり言ってそのとおりです。今年もタイガースを応援するために甲子園に行きます。仕事中はキッチリ仕事をして、皆さんにご迷惑をおかけしないようにしたいと思います。そして私生活ではタイガースを全力で応援します。本日もよろしくお願いします。」
好きなものには分かりやすく、はっきりと言おう。和田コーチがおっしゃるように、最後に笑うために。
『I LOVE HANSHIN Tigers & KOSHIEN STADIUM.』
僕はどこにでもいる、ただの阪神ファンだ。
僕の職場では朝礼がある。ここで毎朝交代で挨拶と共に朝の一言があるんだけど、先日僕の当番が来てしまった。
色々考えた挙句、やはり今年度の1回目はタイガースに関して話しておこうと思った。
4月の人事異動で入れ替わってから初めての当番で、まだ僕がタイガースのファンであることを知らない人もいるかもしれないのでそう思った。(でも実際には全員、僕がタイガースファンと知っていた)
好きなものに(または好きなことを)好きと分かりやすくはっきり言うことは、勇気が要るけどとても大切なことだ。どうしても頭で考え込んでしまいがちだけど、そんなことに時間をかけるくらいなら、行動に移したほうがよっぽど精神的にも健康だ。そもそも好きなのは自分自身の問題で、最初は人の力を借りるにしてもいつまでも人を当てに・・・というわけにも行かないし、結局は自分で何とかしなきゃならない。成功するために行動力と決断力はものすごく大事な要素なんだ。
そんなことを考えていたら、僕がタイガースに夢中になった日のことを思い出した。
僕がタイガースを好きになったのは縦ジマのユニフォームに一目ぼれしたのがきっかけだった。テレビで見る縦ジマは勇ましく、とてもかっこよく見えた。
阪神戦を生で見る機会は僕が住んでいる静岡では数年に1回あるかないかでしかも必ずビジター。阪神タイガース主催試合は静岡ではありえない。つまり縦ジマのユニフォームを着て試合をするタイガースを観ることは静岡から出ないうちはありえない。これは大問題だった。つまり僕が甲子園に行かなければ縦ジマを着て戦う選手を生で見れないのだ。
そう思ったら行動に移すしかない。甲子園に行きたい。縦ジマを生で見たい。タイガースを好きな気持ちを観客席から大きな声でぶつけたい。その一心だった。
何か好きなものがあって、それに近づきたい、実現させたいと思った場合、方法を考える時間はほとんどの場合短くて簡単な方がいい。余計なことを考えて目先を曇らせる暇があったら、物事の本質と正しい目的を見つめた方がいい。自分が思うだけで相手のほうから近づいてくるなんてのはドラマや漫画の世界だけだと思っておけば間違いない。楽して成果が得られるなんてのも、よほど恵まれているごく一部の人だけだ。
仕事を工夫して、時間を作って、お金を貯めて、やっとのことで甲子園にたどり着いたのは高校卒業後に就職してから。初めて座った甲子園は1塁側のアルプス席だった。初めて観戦した甲子園は想像以上に大きくて、温かくて、言葉では言い表せないくらい素晴らしいところで、試合には負けたけど行けただけで大満足だった。観客席で歌う六甲颪はどんな名曲よりも心に響き、耳の奥に残った。
次の目標は観戦した試合に勝つことだった。その試合までは数試合(つまり数年)かかるわけだけど、ついに勝った後の帰りの阪神電車は格別の空間だった。そのときのことが忘れられなくて、僕は今年も甲子園に行く。
はっきり言って、甲子園は聖地だ。今でも僕は聖地に行く前には気を引き締める。些細なことだけど、いつもより丁寧に電話に出たり、職場のゴミ拾いをしたり、というように少しいいひとになったりもする。聖地に行くには聖地に行くに相応しい自分でなければ申し訳ないような気がしているからだ。そしてタイガースを応援するために甲子園に行く。他に余計な目的はない。そしてそこに同じ目的の友達がいることを喜ぶ。それで充分だと思う。
サザンオールスターズをみんな知っていると思う。彼らはキーボードの原由子さんが産休中はソロ活動をしていた。その期間を経て再活動を開始した際のライブで、ボーカルの桑田さんはこう言った。「何でも考え、何でも知って、何でもかんでもやってみよう。」
何でも考え、何でも知るところまでは誰でもできる。あとは何でもかんでも『やってみる』ことだ。『やってみる』・・・僕の場合は甲子園に行くために踏み出した、はじめの一歩のことだった。
朝礼で少し話をするだけでここまで考える僕はきっと考えすぎだろう。今年度のメンバーの前でしゃべるのは初めてだったので、今回は特に分かりやすく、好きなものを好きと言ってみた。それはちょっとした選手宣誓だった。
「おはようございます。私は阪神タイガースが大好きです。去年私が休暇を頂くと『また甲子園か。』とよく言われましたが、はっきり言ってそのとおりです。今年もタイガースを応援するために甲子園に行きます。仕事中はキッチリ仕事をして、皆さんにご迷惑をおかけしないようにしたいと思います。そして私生活ではタイガースを全力で応援します。本日もよろしくお願いします。」
好きなものには分かりやすく、はっきりと言おう。和田コーチがおっしゃるように、最後に笑うために。
『I LOVE HANSHIN Tigers & KOSHIEN STADIUM.』
僕はどこにでもいる、ただの阪神ファンだ。
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