タテジマとファイブアローズに魅せられて

　ＦＡに対する人的補償はルール。それは守るべきものであり、覚悟もするものであり結果は受け入れるものだと俺は思っている。

　ただそれが個人的に注目してきた高濱選手というのが辛いなぁって。２００７年１０月３日のエントリーでも俺は高濱選手の入団時のコメントに嬉しさを表しているのだが、こうして入ってくれた選手が移籍してしまうのは本当に切ない。

　上手いこと言えないのだが、先述したＦＡ移籍と人的補償は関連する動きである。それを踏まえたうえで今回の移籍劇を俺はこう捉えている。

　まずタイガースとしては何が何でも２０１１年の優勝を実現したい。その為には昨年特に終盤に苦労した抑えまでの投手リレーの重要性を再認識し再構築したいと考えた。

　その中で横浜をカットされた加藤投手を獲得したりしてチーム力向上を図った。そこにメジャー移籍がメジャー契約で実現せず、国内移籍も視野に入れたコバヒロさんを獲得することが出来た。

　でも彼を獲得する場合は千葉ロッテに人的補償が生じた。この時点でプロ入り３年経過した高濱選手をプロテクトするには彼が怪我などで試合出場もままならない３年間を考えると難しかった。

　だが高校生ドラ１で入った選手である。それだけのモノを持っているからこその選手である。怪我さえ治ればこの春の活躍は全然不思議ではない。ただ確証を持ちづらい。そんな感じだったのではないか。簡単にドラ１を出したいわけが無い。でも人数制限もあるので・・・・・苦渋であったことに変わりは無いのではないか。

　反対に千葉ロッテ。おそらくプロテクト漏れの中には１軍出場経験のある投手も野手も含まれていたと思う。その中から選べば故障者や移籍した選手の緊急的な穴埋めがある程度は出来たはず。でも今回の高濱選手獲得は将来「も」見据えた補強である。千葉ロッテだって入団以来３年間、１軍出場経験の無い２１歳を獲得するメリットもリスクも承知済みだろう。

　よって、２０１１年に例年以上に賭けるタイガースと、２０１１年以降を重視した形に見える（もちろん２０１１年を軽視しているはずが無い）千葉ロッテの姿勢の違いが現れたのではないだろうかと俺は考えている。

　ルールだから・・・・・で、自分を納得させようとしてるのだが、やっぱり高濱選手にはタイガースのユニフォームで活躍して欲しかった！！それが偽らざる正直な気持ちである。

　高濱選手のコメントが実に心に響いた。「３年間何も出来なかった。」、「申し訳ない気持ち。」・・・・・そしてこれだ！「ロッテで頑張ってＦＡを取って、阪神に戻ってこいと言われるような選手になりたい。」！！もうこれだけで俺は凄く救われた気分だ。２１歳の青年がこれだけの言葉を残してくれた。これだけで俺は充分これからも高濱選手を心から応援できる。

　高濱選手には本当にもう２度と怪我なんてしないで活躍して欲しい。千葉ロッテのファンに愛される選手になって欲しい。幸せな選手生活を送ってほしい。１軍選手になって甲子園で、今度は対戦相手になっちゃうけど姿を見せて欲しい。凄く活躍して阪神ファンから「戻って来い！」って本当に言われるくらいの選手になって欲しい。

　とにかく頑張れ！高濱選手！！これからも応援しています。