タテジマとファイブアローズに魅せられて

　実に頭の良い選手だと思う。試合に出れば自分の役割をしっかりと認識している。そして認識しているとおりにプレーする。これだけでも実は並みの選手ではないのだ。

　自分のプレーと役割を認識していても実際にそのとおりに出来ない選手のほうが多い。それは欲を出してしまったり、油断をしてしまったり、集中力を一瞬途切れさせてしまったりという風に、ごく普通に起こり得るものが原因なのだが、赤星選手はそんな姿を見せないのだ。

　プロ入り後も苦労の連続だった。脚は速いが力強さが無いため引っ張れないから怖くないと言われた１年目。でも新人王。

　２００３年にはチーム内競争のあおりでセンターは浜中選手などとも言われていた。今となっては考えられないことだが、あのころもそんな存在にされていた。

　それがこれほどまでの選手になったのだ。これは本当に凄いことである。

　もう言うまでもないだろうが、ＦＡ権を取得後もタイガースは万全の体制と文句ない条件で赤星選手と再契約して欲しい。あれほどオフの揉め事が日常茶飯事だったタイガースであるが、その悪癖を出すことなく赤星選手と再契約して欲しい。相思相愛ってやつを見せてほしいと思うのだ。

　生涯タテジマ。そしてもう１つお願いしたい。それは生涯、最高の先頭打者であってほしい。そのためにも盗塁のタイトルの奪還をしてほしいのだ。

　だってやっぱり、赤星選手には盗塁が最高に似合うのだから。