鬼神復活
小久保を三振に取ったスライダー。あの外から入ってくるスライダーの凄さが久しぶりに炸裂した。あのスライダーは打てない。
ウィリアムス投手が少しの不調を経て帰ってきた。1軍での試合出場はとっくに済ませているが、投球内容で完全に復帰したといえるだろう。
彼の登場で、ビハインドだったタイガースは息を吹き返した。確かに今回も杉内の前に三振が多く、1得点しか出来ていなかった。得点につながらなかったが8回は少し兆しを見せた。その兆しをこじ開けて持ってくるきっかけを掴ませたのはウィリアムス投手だった。
昨日やられたことをやり返したかのような試合である。岩田投手が2失点ながらも試合を離さない投球を見せ、それを野口さんが一生懸命リードしてホークス打線から岩田投手を守った。やはりパのチームには野口さんのリードは向いているもかもしれない。
浅井選手が積極性を見せた。最初の打席では初球に手を出す。この初球に手を出すということは、何回も書いているが狙い球だったらOKである。しかし初球に手を出すことは凡打になれば相手投手を助けることにもなる。だってたった1球で1アウトをくれるんだからね。この判断を磨けば彼は更に伸びるだろう。走塁でも勇気を見せた姿はチャンスを掴んだと言えるかもしれない。
最終回、チャンスを掴んだものの嫌な流れになりかけていた。そのとき打席には藤本選手がいた。
今年の藤本選手は出番が少ないのだが、打撃でも調子が出ずにいる。打率は1割を割っている。その中での打席である。
打てる確率は確かに低かったかもしれない。でも打てない時なら打てないなりにできること。それは粘って粘って出塁だけでもすることである。幸い相手投手のホールトンはストレートとチェンジアップの投手。大きく振ることをしなければ当てることはできるタイプである。
それに対して藤本選手も大振りせずに当てて粘る。四球であったが9回表のこの出塁がチームに息を吹きかえらせた大きな大きなプレーだった。
赤星選手の考えはどうだったのだろう。俺には彼も粘っての四球を狙っていたかのように見えた。打席ではとりあえず大きな振りだけはしないことを徹底している。そして来たのは低めのもしかしたらボールだったかもしれない球。それをギリギリまで引きつけて当てた打球は低いライナーとなってレフト前へ抜けていった。
気落ちしたかのようなホールトンが投じた次の新井選手への球はよくホームランにならなかったと思えるほどの甘い球。これを一発よりも確率の高い高度なセンター返しで追加点を奪った。
最後の球児投手は役者の違いを見せつけた。年に1回対戦するかどうかの打者にはあの球は厳しすぎる。完全な投球でホークスを押さえつけた。
昨日の借りを早速今日返した。強いのである。その強さを後ろからガッチリ支えたのはウィリアムス投手だった。そして藤本選手が後押ししたと思っている。この2人が諦めかけた試合を取り返したのだ。いや、きっと誰も諦めてなんていなかっただろう。勝つ気持ちを必須のものにしたんだろうな。ナイスゲームだった。
ウィリアムス投手が少しの不調を経て帰ってきた。1軍での試合出場はとっくに済ませているが、投球内容で完全に復帰したといえるだろう。
彼の登場で、ビハインドだったタイガースは息を吹き返した。確かに今回も杉内の前に三振が多く、1得点しか出来ていなかった。得点につながらなかったが8回は少し兆しを見せた。その兆しをこじ開けて持ってくるきっかけを掴ませたのはウィリアムス投手だった。
昨日やられたことをやり返したかのような試合である。岩田投手が2失点ながらも試合を離さない投球を見せ、それを野口さんが一生懸命リードしてホークス打線から岩田投手を守った。やはりパのチームには野口さんのリードは向いているもかもしれない。
浅井選手が積極性を見せた。最初の打席では初球に手を出す。この初球に手を出すということは、何回も書いているが狙い球だったらOKである。しかし初球に手を出すことは凡打になれば相手投手を助けることにもなる。だってたった1球で1アウトをくれるんだからね。この判断を磨けば彼は更に伸びるだろう。走塁でも勇気を見せた姿はチャンスを掴んだと言えるかもしれない。
最終回、チャンスを掴んだものの嫌な流れになりかけていた。そのとき打席には藤本選手がいた。
今年の藤本選手は出番が少ないのだが、打撃でも調子が出ずにいる。打率は1割を割っている。その中での打席である。
打てる確率は確かに低かったかもしれない。でも打てない時なら打てないなりにできること。それは粘って粘って出塁だけでもすることである。幸い相手投手のホールトンはストレートとチェンジアップの投手。大きく振ることをしなければ当てることはできるタイプである。
それに対して藤本選手も大振りせずに当てて粘る。四球であったが9回表のこの出塁がチームに息を吹きかえらせた大きな大きなプレーだった。
赤星選手の考えはどうだったのだろう。俺には彼も粘っての四球を狙っていたかのように見えた。打席ではとりあえず大きな振りだけはしないことを徹底している。そして来たのは低めのもしかしたらボールだったかもしれない球。それをギリギリまで引きつけて当てた打球は低いライナーとなってレフト前へ抜けていった。
気落ちしたかのようなホールトンが投じた次の新井選手への球はよくホームランにならなかったと思えるほどの甘い球。これを一発よりも確率の高い高度なセンター返しで追加点を奪った。
最後の球児投手は役者の違いを見せつけた。年に1回対戦するかどうかの打者にはあの球は厳しすぎる。完全な投球でホークスを押さえつけた。
昨日の借りを早速今日返した。強いのである。その強さを後ろからガッチリ支えたのはウィリアムス投手だった。そして藤本選手が後押ししたと思っている。この2人が諦めかけた試合を取り返したのだ。いや、きっと誰も諦めてなんていなかっただろう。勝つ気持ちを必須のものにしたんだろうな。ナイスゲームだった。
さて、最後のインタビューのときに赤星選手がファンに向かって声を荒げたシーンがあった。様々なところで書かれているのが真相が分からないので書きようが無いが、ここでは1つだけ彼の人柄を伺えるエピソードを紹介させていただく。
俺は甲子園に行くと試合後の移動のため球場付近からタクシーを利用することが多い。あるときベテランのドライバーさんの運転するタクシーに乗せてもらう機会があった。
運転手さんからはタイガースの色々な選手を乗せた経験談を聞かせていただけた。
往年のエース、江夏さんは親分肌で、後輩の選手をタクシー何台かに分乗させて移動する時は必ず他の車の運賃まで自分が払い、決して若い選手にはお金を使わせなかったことなども聞かせていただけた。
そして赤星選手のことも聞かせてくださった。今でもはっきり覚えている話の内容はこうだ。
「赤星選手はね、もうホンマに好青年ですよ。乗る時は必ず『お願いします。』と言うし、降りるときも『ありがとうございました。』と必ず言います。本当にどっちがお客さんだか分からないくらいの丁寧さですわ。ホンマに礼儀正しい人ですわ。」
今日のインタビューの最中に何があったか分からない。でも赤星選手の人間性は、書かせていただいたエピソードから伺えるものと俺は思っている。
俺は甲子園に行くと試合後の移動のため球場付近からタクシーを利用することが多い。あるときベテランのドライバーさんの運転するタクシーに乗せてもらう機会があった。
運転手さんからはタイガースの色々な選手を乗せた経験談を聞かせていただけた。
往年のエース、江夏さんは親分肌で、後輩の選手をタクシー何台かに分乗させて移動する時は必ず他の車の運賃まで自分が払い、決して若い選手にはお金を使わせなかったことなども聞かせていただけた。
そして赤星選手のことも聞かせてくださった。今でもはっきり覚えている話の内容はこうだ。
「赤星選手はね、もうホンマに好青年ですよ。乗る時は必ず『お願いします。』と言うし、降りるときも『ありがとうございました。』と必ず言います。本当にどっちがお客さんだか分からないくらいの丁寧さですわ。ホンマに礼儀正しい人ですわ。」
今日のインタビューの最中に何があったか分からない。でも赤星選手の人間性は、書かせていただいたエピソードから伺えるものと俺は思っている。