一面だけ見て損得は分らない
濱中選手と吉野選手がトレードされた。吉野投手は出番に恵まれなかったこともあってトレードにより出番が増えるかもしれないため、概ね好意的にとらえられているが、濱中選手の場合はタイガースの中でも人気を誇っていただけに色々な意見が出ていると思う。
濱中選手のトレードについてはシーズンオフに入って早々から先発投手とのトレード話が上がっては消えてきたため、トレードがあるとしてもローテーション投手が対象だと予想されていたと思う。それが内野手の平野選手と、若手投手で1軍実績が少ない阿部投手ということで複雑な、場合によっては反感を買っているのかもしれない。
濱中選手は怪我の影響が無ければ2002年や2006年のように3割20本程度は狙える選手。初球に手を出してファンにファンファーレを最後まで歌わせない!!ときもあったが変化球とか低めは上手く打っていた印象がある。
そんな濱中選手だったので、彼をトレードするならそれなりの・・・・・という心情がタイガースファンにはあるだろう。
俺も含めてタイガースファンは選手への思い入れが非常に強い。特に濱中選手のような生え抜きには特に顕著であろう。それが選手本人の相当以上の評価を付与してしまい、それがトレード相手への不満につながる場合がある。
今回の場合、野手同士で例えてみようと思う。
野球選手の野手の場合は走攻守を3拍子と例える。これで単純に比較すると走と守は平野選手、攻はタイプは違うが数字的には濱中選手と判定できるだろう。これだけだったら2対1で平野選手の方に分があると言えなくもないのだ。
ところが問題はその“優位な方のレベル”である。それが濱中選手の場合は3割20本を計算できるという貴重さが重要視されるため「タイガースが損をしたのではないか。」と思わせてしまう面があると思う。
しかし問題はここからだ。タイガースがチームを編成していく上でどのようなチームを作るのか。そしてどのような起用をしたいのか。ということを考えると平野選手の獲得には合点が行く場面が多そうだ。
濱中選手の場合は、言い尽くされた感があるが怪我の心配が常に付きまとっていた。これが悪いことにスローイングする利き腕あった。
折しもライトのポジションを競う林選手も肩を怪我。しかし彼の場合は利き腕とは違う右肩。さらに同じ右腕には桜井選手がいて、さらにさらに外国人で外野手を獲得することも狙う。そうなると濱中選手の貴重さは理解しつつも“かぶる”選手の中から誰かを余剰戦力にしなければならなかったということだろう。特に今年は濱中選手の不調などで桜井選手や林選手が大きく頭角を現しただけに。
そこで平野選手である。タイガースには今年戦力外通告を受けた上坂選手がいた。彼も外野とセカンドを守ることが出来た選手だが1軍に定着できる安定感がなかったと思う。平野選手の場合は、そこのところに期待できるのかもしれない。顔面をぶつけてもボールを離さなかった話ばかりの選手では無いと思う。
外野でもセンターを守れる選手であり左打ち。現実的に本人は否定するだろうけど赤星選手の首の怪我という本当に慎重な起用を要する状況下では赤星選手の状態次第ではセンターでの出番が増える。ここに赤松選手が入れたらいいのだが、2007年にそれをやってみたら赤松選手があまりにも打てなさ過ぎた。そうなると辛い。トレードで獲得した山田選手は1軍に数日しかいることが出来なかった。こうなるとどうしても俊足系で守備も行ける外野手は欲しくなる。
セカンドに目を移してみよう。セカンドでは関本選手と藤本選手が2人で交互に守るという図式が出来上がっている。ここに坂選手が入る可能性も大きいので、俺は平野選手は外野での出番が多いのではないかと思うのだが、比較的波風が立たなかったセカンド争いにも新しい風を起こしてくれそうで、しかも同じ左打ち、同じく脚が速い方の藤本選手に対しては大きな刺激になることが容易に予想される。
平野選手自身の実力も決して「咬ませ犬」や「刺激を与える程度の」ものではないと思っている。レギュラーを奪取する可能性だって充分にある。そういった意味で内外野に相乗効果が期待できるのだ。だからこのトレードの一面だけ見て損得を論ずるのではなく、色々な角度から見てみたいと思うのだ。
阿部投手だって年齢的には大・社ドラフトで獲得した選手とは同年代である。ドラフトでもう1人獲得したと思って、しっかりと鍛えて行ってほしいし、彼の加入が同世代の投手陣の大きな刺激になるものと思いたい。
さて、濱中選手である。多くのタイガースファンもそうだったように、彼の一撃で勝利を得た試合を何試合も見ただろう。俺もそうだ。思い出すだけでも2003年の4番打者として打点を挙げまくったこと。2005年の交流戦札幌ドームで感動の復活タイムリー2ベースヒット。同じ年の交流戦で甲子園でも代打で活躍してお立ち台に立ったこと。2006年に静岡草薙球場で放った2本のホームランでその年のリーグ最速の2桁ホームランを打ったこと。2007年9月には中日の小笠原との投手戦で2ランホームランを打って試合を決めてくれたこと。
将来の4番と言われ、そのときをみんなが首を長くして待っていた。2003年には濱中選手のヒッティングマーチで♪はまなか〜 はまなか〜 ここま〜でとどかせろ〜♪に合わせてメガホンダンスを踊るファンがたくさんいたこと。打球に対する1歩目は残念ながら遅かったこと。ま、色々あるんだけどとにかくファンの期待がここまで大きかった選手は本当に稀だったと思う。
そして吉野投手。多くのファンは2003年の日本シリーズでダイエーを抑え込んだ吉野投手を、当時の星野監督が勝利監督インタビューで「何より吉野が、素晴らしい!!」と絶賛したあの試合を思い出すだろう。俺もそうだ。
入団時は左のオーバースローとして期待されたがサイドスローに。そして先発から中継ぎに。崩れ始めると少々ストップが利かないときもあり、1イニング5連続四球もやったことがある。しかしツボにはまったときは凄くて、しかもその凄い時期が長続きするという特徴があり、2002年は35試合で防御率は1点台。2006年はわずか8試合であったがシーズン終盤にプロ入り初セーブを挙げるなど防御率0.00を残した。「もっと吉野を使えばいいのに!」とは誰もが思ったことだろう。特に左腕の中継ぎが不足してたからねぇ。
両投手とも18年ぶりにリーグ優勝した2003年にインパクトを残した選手なのでタイガースファンの思い入れが強くて当然な選手だ。だからこそ、その移籍を寂しがる気持ちもあるのだが新天地での活躍を願いたい。
「タイガースを見返してやれ!」という激励も悪くは無いが、そういったまるで復讐っていうか報復っていうか・・・・・というようなことを願うかのような励ましではなく、彼らの移籍はタイガースを見返すための移籍ではなく、オリックスを強くするための移籍であるのがトレード本来の意味であると思うので、ここは「活躍してオリックスのファンを喜ばせてほしい。タイガースファンを喜ばせたように!」と願いたいものだし、それをモチベーションにしてほしいと願うし、会ったことも無いが彼らはそういう人間性の選手であると俺は信じる。
平野選手、阿部選手もタテジマに袖を通した以上はタイガースの選手。オリックスでもファンに愛されていただろうから、俺も1人の阪神タイガースファンとして応援することが、移籍元のオリックスのファンへの礼儀のような気がしている。
だからというわけでもない。そしてこのようなブログをオリックスのファンがご覧になっているとは思っていないが、オリックスのファンの方々にはどうか、濱中選手と吉野選手に熱く、そして暖かい声援を贈ってほしいと心からお願いしたい気持ちで一杯である。
今回のトレードで移籍した4選手の新たな場所での活躍が「良いトレードだった。」と言われる何よりの答えになる。そしてそうなるように心から願っている。
濱中選手は怪我の影響が無ければ2002年や2006年のように3割20本程度は狙える選手。初球に手を出してファンにファンファーレを最後まで歌わせない!!ときもあったが変化球とか低めは上手く打っていた印象がある。
そんな濱中選手だったので、彼をトレードするならそれなりの・・・・・という心情がタイガースファンにはあるだろう。
俺も含めてタイガースファンは選手への思い入れが非常に強い。特に濱中選手のような生え抜きには特に顕著であろう。それが選手本人の相当以上の評価を付与してしまい、それがトレード相手への不満につながる場合がある。
今回の場合、野手同士で例えてみようと思う。
野球選手の野手の場合は走攻守を3拍子と例える。これで単純に比較すると走と守は平野選手、攻はタイプは違うが数字的には濱中選手と判定できるだろう。これだけだったら2対1で平野選手の方に分があると言えなくもないのだ。
ところが問題はその“優位な方のレベル”である。それが濱中選手の場合は3割20本を計算できるという貴重さが重要視されるため「タイガースが損をしたのではないか。」と思わせてしまう面があると思う。
しかし問題はここからだ。タイガースがチームを編成していく上でどのようなチームを作るのか。そしてどのような起用をしたいのか。ということを考えると平野選手の獲得には合点が行く場面が多そうだ。
濱中選手の場合は、言い尽くされた感があるが怪我の心配が常に付きまとっていた。これが悪いことにスローイングする利き腕あった。
折しもライトのポジションを競う林選手も肩を怪我。しかし彼の場合は利き腕とは違う右肩。さらに同じ右腕には桜井選手がいて、さらにさらに外国人で外野手を獲得することも狙う。そうなると濱中選手の貴重さは理解しつつも“かぶる”選手の中から誰かを余剰戦力にしなければならなかったということだろう。特に今年は濱中選手の不調などで桜井選手や林選手が大きく頭角を現しただけに。
そこで平野選手である。タイガースには今年戦力外通告を受けた上坂選手がいた。彼も外野とセカンドを守ることが出来た選手だが1軍に定着できる安定感がなかったと思う。平野選手の場合は、そこのところに期待できるのかもしれない。顔面をぶつけてもボールを離さなかった話ばかりの選手では無いと思う。
外野でもセンターを守れる選手であり左打ち。現実的に本人は否定するだろうけど赤星選手の首の怪我という本当に慎重な起用を要する状況下では赤星選手の状態次第ではセンターでの出番が増える。ここに赤松選手が入れたらいいのだが、2007年にそれをやってみたら赤松選手があまりにも打てなさ過ぎた。そうなると辛い。トレードで獲得した山田選手は1軍に数日しかいることが出来なかった。こうなるとどうしても俊足系で守備も行ける外野手は欲しくなる。
セカンドに目を移してみよう。セカンドでは関本選手と藤本選手が2人で交互に守るという図式が出来上がっている。ここに坂選手が入る可能性も大きいので、俺は平野選手は外野での出番が多いのではないかと思うのだが、比較的波風が立たなかったセカンド争いにも新しい風を起こしてくれそうで、しかも同じ左打ち、同じく脚が速い方の藤本選手に対しては大きな刺激になることが容易に予想される。
平野選手自身の実力も決して「咬ませ犬」や「刺激を与える程度の」ものではないと思っている。レギュラーを奪取する可能性だって充分にある。そういった意味で内外野に相乗効果が期待できるのだ。だからこのトレードの一面だけ見て損得を論ずるのではなく、色々な角度から見てみたいと思うのだ。
阿部投手だって年齢的には大・社ドラフトで獲得した選手とは同年代である。ドラフトでもう1人獲得したと思って、しっかりと鍛えて行ってほしいし、彼の加入が同世代の投手陣の大きな刺激になるものと思いたい。
さて、濱中選手である。多くのタイガースファンもそうだったように、彼の一撃で勝利を得た試合を何試合も見ただろう。俺もそうだ。思い出すだけでも2003年の4番打者として打点を挙げまくったこと。2005年の交流戦札幌ドームで感動の復活タイムリー2ベースヒット。同じ年の交流戦で甲子園でも代打で活躍してお立ち台に立ったこと。2006年に静岡草薙球場で放った2本のホームランでその年のリーグ最速の2桁ホームランを打ったこと。2007年9月には中日の小笠原との投手戦で2ランホームランを打って試合を決めてくれたこと。
将来の4番と言われ、そのときをみんなが首を長くして待っていた。2003年には濱中選手のヒッティングマーチで♪はまなか〜 はまなか〜 ここま〜でとどかせろ〜♪に合わせてメガホンダンスを踊るファンがたくさんいたこと。打球に対する1歩目は残念ながら遅かったこと。ま、色々あるんだけどとにかくファンの期待がここまで大きかった選手は本当に稀だったと思う。
そして吉野投手。多くのファンは2003年の日本シリーズでダイエーを抑え込んだ吉野投手を、当時の星野監督が勝利監督インタビューで「何より吉野が、素晴らしい!!」と絶賛したあの試合を思い出すだろう。俺もそうだ。
入団時は左のオーバースローとして期待されたがサイドスローに。そして先発から中継ぎに。崩れ始めると少々ストップが利かないときもあり、1イニング5連続四球もやったことがある。しかしツボにはまったときは凄くて、しかもその凄い時期が長続きするという特徴があり、2002年は35試合で防御率は1点台。2006年はわずか8試合であったがシーズン終盤にプロ入り初セーブを挙げるなど防御率0.00を残した。「もっと吉野を使えばいいのに!」とは誰もが思ったことだろう。特に左腕の中継ぎが不足してたからねぇ。
両投手とも18年ぶりにリーグ優勝した2003年にインパクトを残した選手なのでタイガースファンの思い入れが強くて当然な選手だ。だからこそ、その移籍を寂しがる気持ちもあるのだが新天地での活躍を願いたい。
「タイガースを見返してやれ!」という激励も悪くは無いが、そういったまるで復讐っていうか報復っていうか・・・・・というようなことを願うかのような励ましではなく、彼らの移籍はタイガースを見返すための移籍ではなく、オリックスを強くするための移籍であるのがトレード本来の意味であると思うので、ここは「活躍してオリックスのファンを喜ばせてほしい。タイガースファンを喜ばせたように!」と願いたいものだし、それをモチベーションにしてほしいと願うし、会ったことも無いが彼らはそういう人間性の選手であると俺は信じる。
平野選手、阿部選手もタテジマに袖を通した以上はタイガースの選手。オリックスでもファンに愛されていただろうから、俺も1人の阪神タイガースファンとして応援することが、移籍元のオリックスのファンへの礼儀のような気がしている。
だからというわけでもない。そしてこのようなブログをオリックスのファンがご覧になっているとは思っていないが、オリックスのファンの方々にはどうか、濱中選手と吉野選手に熱く、そして暖かい声援を贈ってほしいと心からお願いしたい気持ちで一杯である。
今回のトレードで移籍した4選手の新たな場所での活躍が「良いトレードだった。」と言われる何よりの答えになる。そしてそうなるように心から願っている。