点と線
お互いが一番勝つためにやってきたやり方で戦ってみたら上位同士だけに簡単には勝てない試合だった。
開幕当初は走塁云々と語って実践していた讀賣だったが、この日はホームラン攻勢。外野の膨らみの少ない東京ドームでこれでもかと打ちまくった。
反対にタイガースはリードされてもヒットヒットでつないで行く打撃。そしてリリーフ陣で試合の流れを放さないように、こちらもつなぐ投手リレーで対抗する。
得点パターンがここまで両極端な試合も珍しく、讀賣はタイムリー無しのホームランによる全得点。こうなると逆にタイガースは気持ちの切り替えはしやすかったのではないだろうか。
開幕当初は走塁云々と語って実践していた讀賣だったが、この日はホームラン攻勢。外野の膨らみの少ない東京ドームでこれでもかと打ちまくった。
反対にタイガースはリードされてもヒットヒットでつないで行く打撃。そしてリリーフ陣で試合の流れを放さないように、こちらもつなぐ投手リレーで対抗する。
得点パターンがここまで両極端な試合も珍しく、讀賣はタイムリー無しのホームランによる全得点。こうなると逆にタイガースは気持ちの切り替えはしやすかったのではないだろうか。
つまり「讀賣の一発は仕方ない。」くらいに考えれば切り替えも楽だったと思う。その割りには確かに打たれすぎたんだけどね。今日は蒸し暑くなったから送風機も強めだったんでしょう。ま、矢野さんの構えたところにも行ってなかったけど。
まさしく讀賣の攻撃と得点は「点」であった。しかし点は点であり、点と点の間には隙間が生ずる。
タイガースのリリーフ陣の優秀さには本当に感心するばかりで、久保田投手が打ち込まれたといっても「点」だけであった。これは前述したが本当に仕方ないと割り切ろう。
ボーグルソン投手が勝ち星を消してしまったが、それ以降は良く投げたと思う。そして打撃が何度も何度も頑張ってくれた。先頭打者が出塁したことをこれほどまでに効果的に得点に結びつけることが出来たのは本当に凄い。こうしたタイガースの「線」になった、まさしく「打線」という言葉で表現すべき攻撃でリズムはリードされてもタイガースだった。特にスクイズ失敗後は。
大きく跳ぶ点と少しずつ延びている線が交錯して勝負をつけたのは最後のホームランであった。
あれほど打たれたホームラン。でもひっくり返させなかったホームラン。それに対して決めた桧山選手のホームランは、どれだけ打っても勝てなかったホームラン攻勢をあざ笑うかのようにライトスタンドに入っていった。
決してジャストミートではない。最後なんて片手で打っていた。バットの先じゃなかったか?それでもホームランになるような弧を描き飛んでいった。へ?スイッチの切り忘れ??そうなの?!そしてそれはずっと着実に伸びてきたこの試合を決める打線のピリオドの「点」になった。
お互いが一番勝てる戦い方で戦った。そして勝ったのはタイガースだった。シーズンという長い時間が終わったときに考えれば良い話だと思うが、この試合の持った意味は本当に大きなものになる。相手の戦い方をさせた上で負けずに勝った。相手のリリ−フエースから決勝点を奪った。相手のホームグランドで勝った。敢えて相手を救う理由を探せば、昨日上原が2イニングで40球ほど投げたという、タイガースのリリーフ陣だったら「あ、ほんま。」で終わる出来事があったくらいだ。
点の野球と線の野球。点は点を繰り返すうちに相手チームの心を折って行く野球だった。だから好きに走ったり出来た。しかし阪神タイガースは点の有効性を理解しながらもリーグの中で本当に少ない本塁打数でありながら、相手が点を繰り返しても折れない心で戦ってきた。この“折れない心”を持つことを俺は“野球の尊厳”と言ってみたい。
タイガースが持っているタイガース野球の尊厳。それがどれほど気高く美しく強剛なものであるか。それを感じることができたこの試合をテレビ越しとはいえ観戦できたことは清冽な感すらも感じさせる、最大級の賛辞をためらわず贈ることが相応しい偉大な試合であった。
まさしく讀賣の攻撃と得点は「点」であった。しかし点は点であり、点と点の間には隙間が生ずる。
タイガースのリリーフ陣の優秀さには本当に感心するばかりで、久保田投手が打ち込まれたといっても「点」だけであった。これは前述したが本当に仕方ないと割り切ろう。
ボーグルソン投手が勝ち星を消してしまったが、それ以降は良く投げたと思う。そして打撃が何度も何度も頑張ってくれた。先頭打者が出塁したことをこれほどまでに効果的に得点に結びつけることが出来たのは本当に凄い。こうしたタイガースの「線」になった、まさしく「打線」という言葉で表現すべき攻撃でリズムはリードされてもタイガースだった。特にスクイズ失敗後は。
大きく跳ぶ点と少しずつ延びている線が交錯して勝負をつけたのは最後のホームランであった。
あれほど打たれたホームラン。でもひっくり返させなかったホームラン。それに対して決めた桧山選手のホームランは、どれだけ打っても勝てなかったホームラン攻勢をあざ笑うかのようにライトスタンドに入っていった。
決してジャストミートではない。最後なんて片手で打っていた。バットの先じゃなかったか?それでもホームランになるような弧を描き飛んでいった。へ?スイッチの切り忘れ??そうなの?!そしてそれはずっと着実に伸びてきたこの試合を決める打線のピリオドの「点」になった。
お互いが一番勝てる戦い方で戦った。そして勝ったのはタイガースだった。シーズンという長い時間が終わったときに考えれば良い話だと思うが、この試合の持った意味は本当に大きなものになる。相手の戦い方をさせた上で負けずに勝った。相手のリリ−フエースから決勝点を奪った。相手のホームグランドで勝った。敢えて相手を救う理由を探せば、昨日上原が2イニングで40球ほど投げたという、タイガースのリリーフ陣だったら「あ、ほんま。」で終わる出来事があったくらいだ。
点の野球と線の野球。点は点を繰り返すうちに相手チームの心を折って行く野球だった。だから好きに走ったり出来た。しかし阪神タイガースは点の有効性を理解しながらもリーグの中で本当に少ない本塁打数でありながら、相手が点を繰り返しても折れない心で戦ってきた。この“折れない心”を持つことを俺は“野球の尊厳”と言ってみたい。
タイガースが持っているタイガース野球の尊厳。それがどれほど気高く美しく強剛なものであるか。それを感じることができたこの試合をテレビ越しとはいえ観戦できたことは清冽な感すらも感じさせる、最大級の賛辞をためらわず贈ることが相応しい偉大な試合であった。