タテジマとファイブアローズに魅せられて

　では何が足りなかったのか？といえば、１つは杉山投手に今季初勝利へのプレッシャーが無かったか？ということ。

　やっぱり結果が欲しいと思うんです。好投しても報われなかったここ２試合を経ているのでなおさらだと思います。

　そして俺が思う最大の原因は「広島市民球場」であること。これね、結構重要だと思うんですよ。

　この球場って独特でしょ？狭いとか何とか言われてますが、カープファンのお客さんだって入っているし。やっぱりタイガースが甲子園で変わるように、カープも市民で変わると思うんです。

　打たれたホームランは、市民じゃなくても充分に入る当たりですね。それは仕方ない。特に天谷選手の当たりは、天谷選手が本当に上手く打ったと思います。あれで直久投手のリズムが狂いましたからね。

　で、俺個人としてここで１つ欲しかったことがあります。それはこのタイミングで矢野さんにマウンドに行って欲しかったなってことです。矢野さんだったらこのときの投手心理って分かっているはずなんです。

　矢野さんが虎バン！だったかな？で、インタビューのときにおっしゃっていました。「この１球というものを投手自身が考えて欲しい。僕がマウンドに行って教えるとかじゃなくね。」という内容です。

　矢野さんにしても監督やコーチにしても、きっと「ここでマウンドに行けばいいかもしれない。でも行かずに後続を断ったら直久投手にとって凄い自信になるはずだ。成長もするはずだ。」と思ったんじゃないかと思います。単純に「ほらピンチだ！行かなきゃ！！」じゃないと思うんです。でもここは行って、何も言わなくても間を取るだけでも良かったんじゃないかなぁ？と思っていたんです。もちろん矢野さんじゃなくてもいいんです。今年、内野のリーダー役である鳥谷選手でも良いんですよね。もちろん一番良いのは直久投手が自身で立て直しができることであるのは言うまでもありません。

　だから俺は“あと一歩”だと思ったんです。本当に惜しいと思います。直久投手は調子が悪ければ悪いなりに投げることは出来る投手ですから。

　今日は負けました。でも負けることはあります。大事なのは連敗しないこと。これです。だから明日は勝ちましょう。大型連休だからといって、チームまでお休みしちゃいけませんので。

　そうそう、最後に大事だなってことを思ったんです。それは渡辺投手。

　今日、カープはナックルボールを操るフェルナンデス投手を使いましたよね。渡辺投手もオフの間、ナックルボール習得に時間を割いていました。だから相手投手を見て何かを感じて欲しいんです。ナックルという特殊な球種は見に付けるまで時間がかかるでしょう。でもこうやって見本が日本にいるうちに、是非とも何かを掴んで欲しいですね。

　今日は尾形選手を三振に取りました。そのときの球種がパームだそうです。これもこれで投げる選手が少ないので珍しいのですが、渡辺投手には是非とも大成して欲しいと思っているので、この連休中にある広島戦で何かを掴んで欲しいと本当に思います。