タテジマとファイブアローズに魅せられて

　第３打席まで連続ヒット。出場し始めて４打席連続ヒット。野手としてもここまで溜め込んでいたものを吐き出し始めている。何よりも初球から積極的に振りにいけるところが素晴らしい。

　能見投手だってがんばっていた。正直言って、ここまでコントロールが良くなる投手だとは思わなかった。狩野捕手とはファームでも組んでいただろうから、良さを引き出してくれたのだと思う。

　そう、狩野捕手は今１軍で投げている投手陣とはファーム時代に一緒に汗を流し、炎天下のファームの試合でバッテリーを組んでいる。それはきっと若い投手陣と一緒になって上で活躍する約束をしたかのように。

　だから８回に出てきた中村泰投手とのコンビだって良かったと思う。彼の持つ外から落ちながら入ってくるスライダーの良さを最大限に引き出していた。

　矢野さんとは違うタイプ。キャリアと頭脳で引っ張って行く矢野さんとは反対に、狩野捕手は「一緒になって強気に行こうぜ！」というメッセージが画面からも伝わってくるようだ。狩野捕手は投手の引き出しを１つ１つ丁寧に開けて行ってくれるような投手だ。

　ポスト矢野、ポスト矢野と言って捕手を乱獲？するかのようだったタイガース。いや、連続して獲り始めるまでは捕手の数は少なかったのよ。そのタイガースにとって１つの答えを見つけたかのような選手の登場だ。

　鳴尾浜で、時には甲子園で、地方球場で、炎天下で汗を流し続けて掴み取ったチャンス。そしてそういった選手がタイガースにいて、このシーズン序盤というタイミングで出てきたことは、まさに神様がくれた選手だ。

　神がかり的な走塁も見せた。あれは捕手の走塁ではない。矢野さんだったらサードで止めていたはず。それをグルグル腕を３塁の（よく故障する）信号機が青信号を表示して、アベのブロックをくぐり抜けて得点するんだから、そりゃぁ凄いもんさ。

　まだ４月である。その４月にこのような選手が登場した。彼の登場は必ずファームから上がってくる選手やファームの選手の力になる。こういうことがチームを強くする。このタイミングでこの選手。これは神様がくれた選手とタイミングなのだ。