タテジマとファイブアローズに魅せられて

　で、忘年会とは別に送別会をすることになった。

　以前から、そのバイトのことを気に入っている、うちの職場のＳに幹事をさせようと思い、俺は「今月中に日を決めなさい。」と１１月の中旬に言っていた。Ｓも「わかりました。」と言っていた。

　Ｓはモテない。真剣にモテない。理由は俺もよくわかる。でも本人に直す気が無いから更に・・・・・。誰も代わりに口説いてくれるわけじゃないし、相手から口説いてくるわけが無い。

　んで！いよいよ今日、その「今月中」の最後の日になった。

　日を決める話は確かにされていた。しかし！！その話をしたのは俺。Ｓは出来なかった。

　理由は「忙しくて声をかけられない。」

　そんなアホな話があるか？！５分も話せば決まるだろう。「１２月に送別会をやりたいんだけど、都合のいい日はあるかな？」これだけでいい。俺もそれしか言ってない。もう１人のよくできたバイトに頼んで一緒に言ってもらったけど、所要時間は１分だった。

　これくらいの度胸もないのに相手を欲しがる２２歳（彼女イナイ歴＝年齢）。子供じゃないけど子供みたい。っていうか子供そのもの。そのくせクリスマスを気にする。

　声をかけてみれば簡単なもので、候補日は全部予定が入っていない。で、今日決めちゃった。和食がいいか、洋食がいいか、奴はそれも聞けないから俺が聞いた。時期的に早くしないといい店は忘年会で予約できなくなってしまう。

　今後の課題は、やつがバイトに携帯のアドレスくらいは聞けるのかどうか。

　「辞めた後も、職場の飲み会の時は声をかけたいから、携帯のアドレス教えてくれない？」と俺なら声をかけるけど、Ｓは・・・・・無理だろうな。俺も聞く気がないからなぁ。とりあえずもう１人のバイトに聞いてもらおう。

　あ、そういやぁ、彼氏はいるのかなぁ？？きっとＳは知りたいだろうなぁ。俺は知っている。でもＳには教えてやらない。携帯のアドレスも含めて奴は聞くことが出来ないことは確実だ。

　今日の新聞では、赤星選手が１５歳の子にモテモテだった。本当に彼女いないのか？！でもさすが誠実な赤星選手。１５歳の子の立候補？にも、真剣に答えている。

　「（５年後に）キミが２０歳になったら僕は３４歳だけどいいの？」

　そうか、３４歳といえば（残り少ないけど）今の俺の年齢。俺が２０歳の子と・・・・・いいかも〜♪・・・・・すいません。２０歳と言われても誰も思い浮かびませんでした。

　しかし赤星選手、“守備範囲”が広いなぁ。おい、Ｓ！この誠実さとフットワークをお前も見習えよ。