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タテジマに魅せられて

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神様の背中
 少し前のコラムで風姿花伝を引用したのだけれど、これは何も阪神甲子園球場だけではないということを思い知らされた出来事が読売3連戦であった。

 代打の神様と呼ばれ、ファンから尊敬される八木裕選手のことだ。

 いつから代打の神様といわれるようになったか、はっきり分からないけど僕の記憶では野村監督時代に脅威の代打成功率を記録して以来、そう呼ばれるようになったと思う。

 入団時や若手選手の頃は『掛布2世』とも呼ばれ、ホームランバッターとして期待もされていた。しかしラッキーゾーンもなくなり怪我も重なるうちにレギュラーから代打へと活躍の場を移す。

 いつだったかテレビで八木選手のベンチ裏での行動を見たことがある。試合が進むにつれてベンチ裏の鏡の前で素振りを始める。試合の喧騒が遠くに聞こえる場所で八木選手は徐々に神様に変わってゆく。そして体を作ったあとにベンチに戻り、目をナイター照明に慣れさせるといったものだった。

 代打とは孤独なものなんだろけど、その姿は控えにいる選手に多くの影響を与えていた。いつでも試合に出るつもりで準備をしている姿は多くの選手の見本となり、ベンチに一体感を与えている。

 試合前のアルプススタンド階段3往復は八木選手が神様に変身するための儀式みたいなもので、それはまるで甲子園を感じ、空を感じ、風を感じる時間のようだ。そして試合になると静かな闘志を蒼く燃やし、打席に入る。

 正直言って選手生活としては晩年を迎えてしまっているだろう。でも、その姿は年輪を重ねてきた強さに裏打ちされたものであり、屋久島の縄文杉のような神々しさすら感じさせる。

 「これこそ実際に目のあたりにした、年老いても散らずに残る本当の花の証拠である。(現代語訳)」と風姿花伝で書かれているように、今の八木選手は決して枯れることがない本当の花を咲かせている。その花は甲子園の『代打 八木』というアナウンスと共にさらに大きく花を咲かせる。ホームランは望めないかもしれない、振りも鈍くなっているかもしれない。でも八木さんには八木さんにしか出来ないバッティングがあって、八木さんにしか任せることが出来ないことがたくさんある。

 八木さんが代打で出るということは、それまで出ていた選手がベンチに下がることにもなる。そんなときに八木さんは「ごめん、代わるな。」というように声をかけているという。この慈愛溢れる姿はただの選手にできることではない。彼のことを人は『代打の神様』と呼ぶ。でも代打の神様だなんて表現じゃ物足りない。八木裕選手は代打の神様じゃなくって、『神様が代打をやっている』んだ。僕はそう思っている。

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| T−コラム | 21:01 | comments(0) | trackbacks(0) |









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