タテジマとファイブアローズに魅せられて

　しかし彼はほぼ正面のライナーを戸惑いながらも処理し、チームの流れを大切にするかのようにプレーしていた。彼には失礼ながら、これが正直言って意外だった。

　苦しい展開ながら久保田投手も１失点に留め、ハシケンも「０」に抑えた。ふてぶてしい態度で投げれば結果が出るという２人である。もっともっと相手を見下すくらいで丁度良い。人が良さそうなところがピッチングでも出てしまうのだが、相手には「抑えちゃってゴメンネ！」くらいでいいんじゃないか？それくらいのことが出来るということは既にわかっているのだし、この日もそれは垣間見えた。

　杉山投手、中村泰投手という、同年代の多い投手陣が活躍すれば他の投手も活躍する。こういう連鎖反応が今のタイガースからは感じられる。だから負けたけどチームの状態は悪くないのだ。

　結果的に育てながら勝つということをすることになっている今年である。その中で林選手、狩野選手、桜井選手が１軍に出てきた。きっと藤原選手も再度の昇格があろうし、状態さえ整えば赤松選手の再チャレンジだってあるはずだ。

　交流戦初日、セ･リーグは全敗だった。勝っておけば一気に上昇できそうなものだったが仕方ない。ただ、桜井選手が結果を出しつつあるように、広島に移籍した喜田選手もヒットを１本打っている。

　鳴尾浜で基礎を叩き込まれた選手たちは、実はこれから旬の季節を迎えるのである。だからこういった選手がチームに何を連れてくるのか？それを味わえる予感がした試合だった。

　明日は下さんだろう。俺は今年の下さんが心配なのだが、旬の時期を長く保つ秘訣をグランドで見せてほしいものだ。