タテジマとファイブアローズに魅せられて

　そんな中で２アウトから出た矢野さんのタイムリーは、今までとは全く違うタイムリー。そしてそれはそこから先の攻撃への呼び水だった。

　次のイニングもチャンスを作る。先ほどよりも心配は薄くなった。何故か最低でも同点になる気がする。それは鋭い当たりが福留の前に刺さって現実となる。

　波のように広がるワッショイ。次の今岡選手は慎重すぎるくらいにバットをコントロールし、そしてまた慎重すぎるくらいコースを選んだかのようなセンター前タイムリーで追加点を上げる。（この時点で俺、半泣き）

　４番と５番が打点を上げる。理想的な展開を見せるタイガースの勢いは濱中選手のヒットも呼び出した。その呼吸は押し出しでイニングを終わらせる。

　更なる追加点は取れなかったが、今季初めて５点目を取った。それでいい。一歩一歩着実に。前に一歩出たら下がらずにまた一歩。その繰り返しがチームを強くする。

　前に出るから向い風もある。だから苦しい。でも前に出るから新しい何かが見えてくる。後ろに下がったり、同じ場所にたたずんでいたら見える景色は同じものかいつか見たことがあるものばかりだ。だから今日の一歩を大切にしよう。

　今年初めて阪神甲子園球場で奏でられる“every little thing,every precious thing”。背番号２２がマウンドで仁王立ち。今年初めて甲子園で聞く“あと１人コール”。どこのチームよりもドラゴンズに聞かせたかった“あと１球コール”！！９回のアウトは全て三振だ。　

　お立ち台はタイガースでも長身の部類の今岡選手と、その今岡選手すら小柄に見えてしまうジャン投手。近所の居酒屋でファンのオッサンに話しかけるかのような今岡選手のインタビュー（この時点で俺、何故か泣く）。そして初めての舞台に戸惑いながらも嬉しそうなジャン投手。

　信じてよかった。昨日、ああいう記事を書いてよかった。タイガースを応援していて良かった。笑顔奪還大作戦大成功！！

　響き渡る六甲颪。明日も明後日も、何度でも聞きたい名曲をファンとチーム、みんなでこれからも奏でていこう！！

　勝とうぜ！阪神タイガース！！やっぱり甲子園は最高だなぁ。