タテジマとファイブアローズに魅せられて

　先制された井川。内容としては１失点だが、本人も言っていたように「先制を許して迷惑をかけた。」ということが残る。確かにエース。でもそのエースがエースで貯金できていない。昨年もそうだったが、チームで一番貯金ができている投手ではなくなっている。ローテーションを守れる投手であることは本当に貴重。だからこそ奮起して欲しかった。このところの気迫をシーズンを通して見せていて欲しかった。いや、見せていたとしても伝えて欲しかった。イに何回も打たれる姿を見せてはいけない。

　今夜は濱中選手がブレーキ。こういう時期もあるがこの試合であって欲しくなかった。

　チームは必死に戦ってきた。ここまでやってくれたらもう充分。確かにそう思える。でもこれで終わって欲しくないという欲もある。負けるにしても負け方がある。必死に必死につないできた戦いをこのまま終わらせてはいけない。

　そして相手の先発が西村ということで、あってはいけない隙間や緩みが無かったであろうか。アニキがヘルメットを投げつける。それで良い筈が無い。今までならスタンドや野手の間に飛ばしていた球であったが、少しの力みがあったのだろう。

　点を取れない。追いつけるはずなのに・・・・・の焦りが少しずつ。

　代打林選手と今岡選手。基本的には１試合でナンボの選手。でも今は代打。終盤に来て苦しむ姿、悩む姿と自身が戦っている。

　１０回からは久保田投手が登板。１イニングに６本のヒットを重ねられ４失点。マウンド上の表情に覇気が見られない。ふてぶてしさというか、図太さを感じさせた表情から、憑き物が取れて行ったかのように、借りてきた猫のように大人しく投げている。荒々しさとは別の狙っているところに投げられない投球を読売の下位打線までに打たれていた。

　辛い敗戦だった。でもこれで今シーズンを終わらせるわけには行かない。次の試合は１２日のドラゴンズ戦。これでドラゴンズのマジックは２。下手すりゃ甲子園に来る時は優勝が決まっているかもしれない。でもそれでもシーズンをこのまま終わらせちゃいけない。

　そして久保田。我が家の親（タイガースファン暦５年程度）が登板時に言った「なんで久保田なのよぉ〜！！」という声は、おそらく他のファンも言った言葉だろう。その言葉を言わせないような姿に戻ってこなければいけない。

　この膠着状態を再び動かすのは他力本願を含め、勝利だけなのである。