もがいた男に光明は見えたか?
彼が不調であると、その前を打つ7番の矢野まで勝負してもらえない。懸命になればなるほど力みが出て、悪いときのバッティングになってしまう。
特打ちもした。出発前に打ち込んだ。しかしこの日も結果が出ないまま9回を迎えた。得点は3−0。井川投手がヤクルト打線を見事に抑え、3塁を踏ませない。矢野も土曜日の試合の失敗を帳消しにするかのように井川投手を好リードし、打撃でも支えた。
でも自分は出塁できていない。守備での貢献を考えれば多少の打撃不振は仕方ないかもしれない。しかし男には後が無かった。
2番になったことがある。しかし所々で打上げてしまう打撃。自分よりも大型でありながら小技も決める関本選手に押し出されて8番に戻ってきた。守備で見せるしかないとも言われかねないくらい、男は悲壮感すら感じさせていた。
9回表。先頭で打席に入る。2−0と追い込まれた場面。叩きつけた打球はセカンドの深いところに転がる。全力で走った。走りきったほうが速いといわれるが、男は頭から1塁めがけて突撃した。置いてかれてたまるか!!
1塁のアンツーカーでユニフォームを汚しながら男は久しぶりに点じた「H」のランプを噛み締めた。そして井川投手が送り、ワイルドピッチを挟んで関本選手のタイムリーでホームを踏めたのは、全力で戦った彼へのプレゼントだったのかもしれない。
今年はセカンド2年目。藤本は苦しみながらもセカンドを自分のモノにしようとしていた。今岡選手が故障で離脱し、関本選手がサードへ。それまでの併用から定位置へと進んだ。
今日の試合でも活躍したが、関本選手と濱中選手という、タイガース期待の選手が結果を出しつつある今年、藤本は2003年の3割打者という時間から取り残されたかのように結果に苦しんだ。
今年だって、今日の1本のヒットで変わるかどうかなんて分からない。当たりだけ見ればセカンドゴロと言われてしまう当たり。でも思いっきり叩きつけて思いっきり走ったら何があるか分からない。内野手が送球を焦るかもしれない。もがいたらもがいたぶんだけ抜け出すために体が必死になる。キレイに打とうなんて思うな!打てないなら打てないなりに打席で粘って相手に球数投げさせて、小技を磨いて嫌らしいバッターになれ!俺は脇役だってちゃんと観ているぞ。
もがいた男が残り6試合でどれだけ必死になりきれるか?!この試合で打ったヒットは1本。この1本が「たかが1本」で終わるのか、「されど1本」と振り返ることが出来るようになるのか。しっかり見ていこうと思う。
最後に、井川投手のインタビューでの言葉。「全て全力をつくします。」
これが井川投手がタイガースで発する最後のヒーローインタビューにならないことを望む。
特打ちもした。出発前に打ち込んだ。しかしこの日も結果が出ないまま9回を迎えた。得点は3−0。井川投手がヤクルト打線を見事に抑え、3塁を踏ませない。矢野も土曜日の試合の失敗を帳消しにするかのように井川投手を好リードし、打撃でも支えた。
でも自分は出塁できていない。守備での貢献を考えれば多少の打撃不振は仕方ないかもしれない。しかし男には後が無かった。
2番になったことがある。しかし所々で打上げてしまう打撃。自分よりも大型でありながら小技も決める関本選手に押し出されて8番に戻ってきた。守備で見せるしかないとも言われかねないくらい、男は悲壮感すら感じさせていた。
9回表。先頭で打席に入る。2−0と追い込まれた場面。叩きつけた打球はセカンドの深いところに転がる。全力で走った。走りきったほうが速いといわれるが、男は頭から1塁めがけて突撃した。置いてかれてたまるか!!
1塁のアンツーカーでユニフォームを汚しながら男は久しぶりに点じた「H」のランプを噛み締めた。そして井川投手が送り、ワイルドピッチを挟んで関本選手のタイムリーでホームを踏めたのは、全力で戦った彼へのプレゼントだったのかもしれない。
今年はセカンド2年目。藤本は苦しみながらもセカンドを自分のモノにしようとしていた。今岡選手が故障で離脱し、関本選手がサードへ。それまでの併用から定位置へと進んだ。
今日の試合でも活躍したが、関本選手と濱中選手という、タイガース期待の選手が結果を出しつつある今年、藤本は2003年の3割打者という時間から取り残されたかのように結果に苦しんだ。
今年だって、今日の1本のヒットで変わるかどうかなんて分からない。当たりだけ見ればセカンドゴロと言われてしまう当たり。でも思いっきり叩きつけて思いっきり走ったら何があるか分からない。内野手が送球を焦るかもしれない。もがいたらもがいたぶんだけ抜け出すために体が必死になる。キレイに打とうなんて思うな!打てないなら打てないなりに打席で粘って相手に球数投げさせて、小技を磨いて嫌らしいバッターになれ!俺は脇役だってちゃんと観ているぞ。
もがいた男が残り6試合でどれだけ必死になりきれるか?!この試合で打ったヒットは1本。この1本が「たかが1本」で終わるのか、「されど1本」と振り返ることが出来るようになるのか。しっかり見ていこうと思う。
最後に、井川投手のインタビューでの言葉。「全て全力をつくします。」
これが井川投手がタイガースで発する最後のヒーローインタビューにならないことを望む。